内容説明
ピュリッツァー賞に輝いた現代史家による名講義録 名門イェール大学の人気講座「グランド・ストラテジー(大戦略)・プログラム」の精髄を一冊に凝縮。ペルシャ戦争、ナポレオン戦争など歴史の転換点における指導者の決断を通じ戦略思考とは何かを浮き彫りにする。孫子、マキアヴェリ、リンカーンなど古今東西のビジョナリーたちが共有する、戦争と外交の「常識(コモンセンス)」がここにある。予測不能な現代の羅針盤となる、全リーダー必読の書。解説/野中郁次郎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
85
戦略論というのは戦争が多かった欧米人にとっては好みなのでしょう。様々なこの分野の歴史的人物とその著作などについて非常にわかりやすく説明されています。分厚い本ですがこの分野に興味のある方にとっては非常に楽しみな本ではないでしょうか?この本に流れる基本的なグランドストラテジーがすべてであるという気がします。最初と最後にアイザイア・バーリンの「ハリネズミと狐」の著作を引いてハリネズミ族とキツネ族の考え方を説明されています。この著作を読みたくなりました。2022/09/04
緋莢
15
イェール大学の人気講座をまとめた本。序盤に<グランド・ストラテジーを教えることは可能だろうか>というのが出てきて、<(『戦争論』の)クラウゼヴィッツによれば、歴史というものは、単独では、幾多の物語が長く一続きになったものにすぎない。だからといって役に立たないということではない。理論は歴史から抽出して構築するほかないからだ>と書かれています。この部分に本来は歴史研究家になろうとしていたものの、不本意ながら軍人として、その才能を発揮した 『銀河英雄伝説』のヤン・ウェンリーを思い浮かべました。(続く2023/10/17
CTC
11
18年早川書房刊、22年同文庫。著者はピュリッツァー賞も受賞したイェール大歴史学部教授。 鶏肋。曹操が漢中攻防戦のさ中に、捨てるには惜しいが実はない状況から呟いたこの言葉を、私は常々ビジネスの場や日常会話で使いたい思いに駆られており、実際使っている人に会ったことがないので我慢しているが…本書を読みながらずっとこの言葉を想っていた(苦笑)。ホント噛み締めればね、味はあるんだけども、オカズにはならんのよね…。本書は人文学的に、否、文学的に“大戦略”を語るもの。鶏肋だから最後まで読めちゃったんだけども…。2023/03/10
あくび虫
7
すごく面白かったので一気読みしてしまったのですが、これは熟読必須の本。世界史の興味深いエピソード満載で、とても読みやすくて、ほとんど小説を読む感覚です。この手の本は最初の2章くらいで出がらしになり、残りはリフレインということも多々ありますが、最後まで新鮮に楽しめるのが嬉しい。それどころか、ページが進むほどに肉付けされて、全体が立体体に浮かび上がってくるようです。壮大なタイトルに反して、一個人として響く言葉、役立ちそうな考え方満載。再読必須。2023/09/27
iwtn_
4
要はバランスなんですよ、を教養とユーモアを交えた歴史的な事例を使った物語とするとこうなる感じ。「大戦略」なので戦争だけではなく政治の話も多い。孫氏も語られるが主に欧米の話になるので、そのへんの前提知識が少ない自分にはわかりにくい話ではあった。とはいえ、語り口は魅力的なので読んで損はない、かな?解説者が自身の理論と似てる、みたいな話をしているが、二項対立の統合、という話にしちゃうとだとシンプルにし過ぎかも?とは思う。原則は信じないが狐要素の大きい自分としては、ハリネズミの方位磁石を持たないとな。2024/01/28
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