内容説明
陰陽師の家を継ぐ「トンデモ」姫に婿現る?
慶長四(一五九九)年。安土桃山時代も末期、江戸時代が始まる前の京の都に、周囲が手を焼くトンデモ姫がいた。名は幸徳井桜子、年は十五。陰陽師を排出する家のひとつ、幸徳井家のひとり娘だ。名門というわけでもなく、ほどほど貧乏な公家の跡継ぎである桜子は、母を早くに亡くし、父は誰なのかわからないという有様。一部で「あやかしの子だ」と噂されるのは、桜子が生まれ持った神通力と剛力のせいだ。
「私に触ると怪我するよ」――というのは誇張でもなんでもなく、触れればすぐさま物を壊し、遊べば人を壊す。この世のものはなにもかもヤワすぎて、人も獣も妖怪も桜子の相手にはならないのだ。そのくせなぜか、京に巣くう妖怪たちはこぞって桜子に懐く。ゆえに、花も恥じらうお年頃だというのに、桜子はあやかしの首魁扱いされてしまうのだった。
そんなある日、桜子はひとりの剣士と出会う。陰陽の術にも長けたその青年は、柳生友景。どうやら彼は、桜子が本気をだして絡んでも「壊れない」理想の相手のようだが…?
やわらかスピリッツでのコミカライズも大人気、「蟲愛づる姫君」シリーズの著者が贈る、もうひとりの「トンデモ姫」の物語、ここに開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
るぴん
33
安土桃山時代の京都。力が強すぎて物も人も壊してしまう幸徳井桜子。そんな彼女に陰陽師の祖父が柳生一族の少年を婿として連れてくる。「蟲愛づ」シリーズ以外の宮野作品は初めて読んだけれど、これも登場人物がいい感じにぶっ飛んでるな〜。桜子はもちろん、柳生友景もなかなか…。幸徳井友景は実在の人物なのね。面白かったから、ぜひ続きも読みたい!2022/05/12
よっち
33
安土桃山時代末期、江戸時代が始まる前の京都。周囲が手を焼くトンデモ姫・桜子が、本気を出して絡んでも壊れない陰陽術にも長けた柳生友景と出会う和風ファンタジー。陰陽師を排出する家のひとつ、幸徳井家のひとり娘として生まれ、生まれ持った神通力と剛力のせいであやかしに慕われ、その首魁扱いされていた桜子。友景との出会いは桜子の人生を変えて、明らかになる桜子の特異な生まれや、意外と愛されてるんだなと感じる周囲との関係があって、そんな彼女と向き合い絆を育んで、しっかりと受け止めてくれる友景との関係がなかなか良かったです。2022/06/22
にゃうぴょん
12
面白かったです。真っ直ぐで前向きな桜子の都での妖退治から友景と出会ってからの急展開でも力強い行動力が良いです。案外周囲の人にも神様や人外にも愛されている所も桜子の魅力かなと思います。二人のこれからも見たいので続編希望です。2022/08/02
すがはら
10
作家さん読み。ここでもやはり良い壊れ方したヒロインとヒーロー。考え方が変わっているので行動の真意が分かりづらい。景くん、ちゃんと言葉にして伝えないとダメだよ。だいたい、猫又に気付かないから鈍感だとかすねてる場合じゃないでしょうに。ぶっ飛んだヒロインのハズだけど実は考えることは非常に良識的。景くんの方が非常識人。行きずりの人を食べるのもアリって本気で思ってるわけだし。家族愛を強烈に押し出されると、それだけ愛憎劇の予感がプンプンしてきます。自分の感情より祖父の判断への信頼が勝るとか、現代感覚では嫌だけどな。2023/09/15
まいさん
7
江戸時代が始まる前の京の都を舞台に神通力と剛力を持つ姫の婿取りの物語。2022/06/13
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