内容説明
ニュージーランドの小さな町で人質事件が発生。未明、夫婦と娘ふたりがいる民家に、銃を持った男たちが立てこもったという知らせを受けて、刑事ニックは現場に急行する。警官に囲まれた家から大音量で音楽が流れ、銃声がしたのをきっかけに、狙撃班が銃弾を浴びせたところ、今度は大爆発が! 機動隊が妻と娘たちを救出。爆発跡から地元のギャング5人の死体が見つかるが、夫の姿はない。警察は、生き残った犯人グループのひとりが夫を連れて逃亡したと考え、大規模な捜索を開始するが……。『死んだレモン』の著者が贈る意外性抜群の衝撃作!/解説=村上貴史
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
88
「死んだレモン」を読んでいないので、ニュージーランド産のミステリーを読むのは初めてかもしれない。冒頭で発生した家族監禁の立てこもり事件。警察突撃のあとは、生き残り犯による家族誘拐となり、サスペンス色が濃くなる。2日間ほどに起きた出来事の物語だが、冒頭以降は坑道サスペンスが延々と続くことになる。全体の3割ぐらいはあったのではないだろうか?あくまで個人的な感想ではあるが、人物造形は良くできているように思う。ただ、ストーリー展開が自分の思う方向に進まず、思っていた作品とはやや違っていた感じがした。2022/07/15
しょう
70
小さな町で起こった人質事件に爆発事件。妻と子は助かるも何故か忽然と消えた夫。出だしから立て続けに起こる事件の数々に緊迫感が増す。一方で肝心の捜査は遅々として進まずやきもきさせられるが、ニックとトーブのコンビはなかなかのもの。焦らす展開が続き、あまりテンポがいいとは言えないが、それを補って細やかな人物描写が目を引く。ラストの展開は二捻りぐらいはある想定外の内容だったが、犯人は想定内。面白さは前作と同等だが、他のミステリー作品とは一線を画す出だしは評価したい。2022/11/27
ナミのママ
59
狙撃班・機動隊・多くの警察が包囲する面前で起こった二度の爆発。前作『死んだレモン』同様にインパクトがある巻頭。ニュージーランドの小さな町で深夜に起こった立てこもり事件はここから始まる。イースター休暇直前の悪天候、親子ほど年齢差のある2人の刑事、発生から解決までの2日間をみっちり追っている。謎が増えていくのにストーリーは進展しない。この土地にまつわる過去に絡んだ事件そのものは面白かったんだけど。中盤の精神論や解釈に似た会話部分が面倒でちょっと飽きた。スピーディーさを求めずじっくり読めば良かったと反省。2022/06/16
oldman獺祭魚翁
44
ニュージーランドの田舎町で起きた衝撃の事件。ギャングが押し入った1件の家が包囲する警察の目の前で爆発。人質の母親と二人の娘は無事だったが、居る筈の父親の姿が無い。生き残ったギャングに誘拐されたのか?組織犯罪科の二人の刑事が謎に挑む。押し入られた家の不幸な過去、目の前で自殺した同僚警官。雪が降り迫るタイムリミット。前作『死んだレモン』を想起させる見事な伏線回収。。北欧ミステリーの次はオセアニアミステリーの時代か? ちょっと煽ってみたけど、結構面白いですよ。2022/05/15
本木英朗
41
ニュージーランドの現代ミステリ作家であるフィン・ベルの第2作目である。小さな町で人質事件が発生。民家に銃を持った男たちが立てこもったと知らされ、刑事ニックは現場に急行する。銃声をきっかけに狙撃犯が銃弾を浴びせたところ、大爆発が! 機動隊が妻と娘たちを救出。爆発後からギャング5人の死体が見つかるが、夫の姿はない。警察は犯人グループのひとりが夫を連れて逃亡したと考え、捜索を開始するが……という話である。とにかく読もう、それしかないってば! さすがは作者である。超凄かった!!の一言だろうね。またいつか読もう。2022/10/11
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