内容説明
「来年の今日。俺たちは、ここで一緒に死ぬ。残された一年で、君の遺書代わりの小説を、俺が描く」自殺を試みたミサキは小説家の鋭二と出会う。感傷的な世界の終わりへと物語が動き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チワ
8
幸せになってはいけないという呪いから鋭ニが解き放たれるには死ぬしかなかったのだろうか。 美咲が見つめ続けた死と生の痛みは鋭ニが背負って消えられるものだったのだろうか。 マコの死の責任を美咲一人で背負えるはずなんてないし、その人の一生を誰かが肩代わりすることなんてできない。でもその人の人生を共有させて救われせてほしいという気持ちはわかる。2022/03/14
栗林
1
著者の作品を読んだことはなく、音楽作品のファンというわけでもない。アイドル文学を読みたいと思っていたところに「疫病神アイドル」という文字が引っ掛かったので読んだ。でもこれは出ているアルバムをちゃんと聴かないと全部受け取ったことにならない読書な気がする。この手の作品――自死をしようとした女を途中で引き留める男の話はいくつかあるが、そのジャンルの中だと特に目立った物語ではない。どちらかというと、ラスト間近でステージに立ったミサキがMCで吐露した話の方が心に残った。アーティストが書いた小説だからかもしれない。2022/05/22