内容説明
幕末、古今東西の書物を読破し日本や世界の情報を収集した〝読書魔〟吉田松陰。彼にとって書物とは何だったのか。水戸学の代表作『新論』を求め続けた松陰の知的遍路や、獄中に記した『野山獄読書記』から松陰の思想形成の変化を追う。各地の志士たちとの書籍貸借が育んだ同志的ネットワークの展開にも迫り、書物を通して新たな幕末の姿を描く。
目次
読書魔の志士―プロローグ/志士たちのバイブル(国体論の誕生/開かれた秘密の書/松陰の本棚に入るまで)/読書の人(獄中の読書録/水戸学から国学へ/尊王論の変容/読書録終焉の謎)/書籍貸借と同志的連帯(国学書との出会い―松陰と岸御園/関門海峡を越えて―西田直養とのコネクション/書斎の人から実践の人へ―小国剛蔵との親交)/行動時代のはじまり―エピローグ/吉田松陰略年譜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ようはん
16
野山獄での松蔭の読書量が1月40冊ペースなのには驚かされる。今よりもページ数少ない、読書の時間もとれる境遇ではあるがこのくらいでないと明治維新の礎にはならなかったという事か。2020/11/10
軍縮地球市民shinshin
11
吉田松陰は短い生涯の中で何度も入獄しているが、松陰はそこで読書に励んでおり、ひと月32.36冊も読んでいるという。和本は現代の洋本と比べるとかなり薄いのだが、それを考えても驚異的な読書量だ。本の貸借から生まれる志士たちとの交流など、読書記録を松陰の思想遍歴もよく分かる。だから現代の図書館はやたらと個人情報保護にうるさいのだと分かった。2016/11/13
さとうしん
7
吉田松陰の読書歴を思想遍歴とリンクさせようという試み。会沢正志斎の『新論』が題簽すら勝手な名前に変えられて好き勝手に読まれていたという現実、書籍を仲介として形成された人間関係など、前田勉『江戸の読書会』の続編的な書として読んだ。また「あとがき」にある、著者の研究のきっかけがWindows95パソコンの購入であったという話も、今となっては20年前の空気を伝えるようで面白い。2016/12/05
つみれ
2
あとがきが面白い。グラフと表が多い本だが、著者がかつてPCを手に入れて何かしたかった結果、見るべきデータになったじゃん!ということらしい。やはり何はともあれ数えてみるのは大事だな。萩に行くので松下村塾の予習に。2025/09/16
バルジ
2
吉田松陰の思考をその「読書」遍歴から探る一冊。幕末期における書物の伝播や「読まれ方」含め示唆に富む。「明治維新のバイブル」とも称される会沢正志斎『新論』の同時代的な読まれ方は国家論というよりも、実践的な海防論としての読まれ方もあった。読み手の問題関心によって融通無碍に用いられ著者の意図を超えた影響を及ぼす点は現代とそう変わらない。また松陰の猛烈な読書はその時々の関心を示す。水戸学から離れた彼は「日本」を言語学的に把握しようとした。その遍歴も「読書」の営みから見えてくる。2024/08/24
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