新田一族の中世 - 「武家の棟梁」への道

個数:1
紙書籍版価格
¥1,870
  • 電子書籍
  • ポイントキャンペーン

新田一族の中世 - 「武家の棟梁」への道

  • 著者名:田中大喜
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 吉川弘文館(2022/03発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 510pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784642058087

ファイル: /

内容説明

上野(こうずけ)国を本拠とした義国流清和源氏の新田(にった)氏。同族の足利氏とは歴然とした家格の違いがありながら、『太平記』では「源家嫡流の名家」として描かれたのはなぜか。新田氏の成立から足利一門としての雌伏(しふく)の時代、そして足利氏との対立を経て「武家の棟梁」として誕生するまでの足跡を辿り一族の実像に迫る。『太平記』に秘められた足利氏の思惑にも言及。

目次

『太平記』のなかの新田氏―プロローグ/新田氏の成立(成立前史/新田氏成立の政治史)/雌伏の時代(鎌倉幕府の成立と新田氏/新田本宗家と足利氏―足利一門への歩み①/里見氏・山名氏・世良田氏と足利氏―足利一門への歩み②)/地域権力としての姿(新田氏の軍事的テリトリーをたどる/新田氏の求心力を探る)/「武家の棟梁」新田氏の誕生(新田氏の自立/越前に描いた夢/義興と義宗の挑戦)/『太平記』の刻印―エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

サケ太

16
新田一族が悲しい。何故、新田義貞は、新田一族は「源氏嫡流の名家」と成ったのか。新田一族の始まりから、足利氏の配下となっていた頃から、鎌倉侵攻で、大功を挙げたことで足利尊氏の対抗馬として推されることに。その流れに理不尽さを感じてしまう。足利氏にとっては敵役として求められ、徳川氏や明治政府にその役割を確定されてしまった。そこに面白さを感じてしまうのは無神経か。2021/04/29

フランソワーズ

10
足利氏の麾下にありながら「武家の棟梁」と名指しされ、尊氏に対抗した義貞。その勢威の拠り所であった後醍醐とのちに決別し、恒良親王を擁して北陸王朝を形成しようとした姿は南朝の”忠臣”という認識を覆すものである。その義貞死後も、新田氏の基本的姿勢は変わらず、度々挙兵を繰り返した。そして本宗家は滅亡したあと、新田氏の史実は『太平記』の中で物語として再生され続け、「新田氏」の像を後世の人々に植え付けた。2024/09/13

叛逆のくりぃむ

9
 『武家の棟梁』としての新田氏の姿が政敵である足利氏によつて形作られたものであつたといふことは興味深い。實際の新田氏は初代義重以降、足利氏との提携を深め、その一門衆として行動しており、新田義貞による鎌倉攻めも足利尊氏による六波羅攻めと呼應したものであることが伺い知れる。2015/09/25

MUNEKAZ

7
新田氏がいかにして足利氏と並ぶ存在となったか。鎌倉幕府では数々のやらかしにより足利氏よりも下位に位置付けられていた新田氏だが、建武政権では足利尊氏の離反・敵対により、その対抗馬として後醍醐天皇からも足利氏からも持ち上げられていくという流れは面白い。また南北朝期以後も徳川氏や維新政府によって「武家の棟梁」「南朝の忠臣」という神話が強化されていくのは、歴史と政治の関係について考えさせられる所であった。2017/05/05

ほうすう

6
鎌倉幕府において足利氏がいかに上位の存在として持ち上げられていたのか。将軍候補を生み出しかねない家柄までになっていたことには驚いた。そして新田氏との格差。それにしても新田義貞は不運なイメージの強い武将であるが、本書によっても体よく足利氏の敵役を押し付けられた感があってやはり不運である。その後持ち上げられたのがむしろ幸運ですかね。2018/06/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9827951
  • ご注意事項

最近チェックした商品