軍需物資から見た戦国合戦

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軍需物資から見た戦国合戦

  • 著者名:盛本昌広
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  • 吉川弘文館(2022/03発売)
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  • ISBN:9784642071123

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内容説明

合戦は兵士や人夫など人的資源の他に、城や柵を作る木材、矢や槍の材料の竹など、物的資源も必要となる。戦国大名はそれらをいかに調達し、かつ森林資源の再生を試みたのか。エコにも通じる行動から合戦の一側面を探る。

目次

はじめに/序章 合戦の勝敗は軍需物資の確保にあり!/軍用品の調達に奔走する大名たち(合戦図屏風で見る木の使い方/城郭と尺木/玉縄城の堀の築造/重宝された栗の木/武田信玄駿河侵入と舟橋/舟橋の構造/天龍川の舟橋/接待用の舟橋/種類によって用途がかわる竹/敷板の調達/縄と橋木の調達/筵を購入して調達/舟橋はいかにして架けられたか/資材確保の方法とは/舟橋の架橋/見立て次第で伐採が認められた尺木)以下細目略/軍需物資を確保した大名が勝利をおさめた!/合戦・城攻めに使われた武器武具/武器・武具の調達方法を検証する(竹木徴発システム/竹木の管理と伐採の防止)/伐採と植林を繰りかえした戦国時代/戦国軍拡と自然環境の変化/補論

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鮫島英一

11
この作品は山林資源の保護と有効利用についてひたすら語られている。無理もないのだ。あの有名な馬防柵いうに及ばず城も塀も木製。足軽が使用した槍でこそ竹製だが、それにしたって膨大な量を必要とする。山林資源を制する者が、戦国の世を制したかもしれない。そういう時代なのだ。鉱工業が発達した第一、二次世界大戦でさえ悲鳴モノだったのに、全て山林資源で賄った戦国時代に大量生産大量消費という贅沢など許されない。「石油の一滴は血の一滴」と叫ばれた近代さながらに、木の一本、竹の一本が時として人の命と等価なのも無理がないだろうな。2021/09/25

パトラッシュ

9
戦国時代の戦争に竹が広く使われていたとは初耳だ。武器や兵糧調達に関しては広く知られているが、橋や柵や槍、旗指物に鉄砲除けまで竹がなくては戦ができず大名たちは竹の管理と徴発に奔走していたとは。また「城を築いた」と一言あっても、そこにどれだけの材木が必要か想像する人はほとんどいないだろう。城が巨大化し砦が構築されていた当時、木材を確保した大名が勝った結果として自然環境が激変する事態は、ナポレオン戦争期の英国で海軍艦艇を建造するため国土が禿山だらけになった話を思い起こす。森の国日本ならではの史実を教えてくれる。2020/01/17

相馬

3
以前に洋泉社から出たのの再刊。こういう輜重とか背後の話も面白い。2020/03/19

げんさん

2
筆者も言い訳しているが、このタイトルは編集者がつけたもので、「山林資源から見た戦国合戦」が本書の内容を正確に表していると思う。とは言え、築城や合戦に使用する竹木を大名らがどのように調達、使用していたかを克明に探っており、極めて貴重な論稿では。戦国後期には鉄砲の普及によってか、山林資源は枯渇に瀕していたようで、こうした過度の伐採による生活基盤の喪失が、民衆の平和を望む空気を醸成し、秀吉の天下統一を後押しした、という見解もあるようだ。2020/11/02

Kazuyuki Koishikawa

2
立野の語源初めて知った。あそこも当時はそうだったのか。2020/08/16

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