内容説明
古代遺跡探訪に美術鑑賞と絵画修業。鉱物採取と植物観察、そしてローマのカーニバル観賞……。芸術家にして自然研究者であるゲーテが若々しいヴァイタリティと探求心で行動し、その体験をみずみずしい感性で綴ったこの作品は、「永遠の青春のひと」という言葉にふさわしい文豪の青春の記録である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ロビン
16
「ローマで私ははじめて自分自身を発見し、はじめて私自身とひとつになって幸福かつ理性的になった」とまで記したローマに滞在を続け、ゲーテのたゆまぬ自己研鑽は続く。「とうてい到達できないものに少しでも近づくために、せめて仕事を続けよう」-旅行の間に残されたスケッチは800枚、デッサンは3000枚にも及んだという。ゲーテほどの天才が、他人から謙虚に学びながら、「未知のものにまつわる飽くなき探求」の欲求に苦しむ姿に感銘を受けた。我々がぼんやりと、当たり前の様に見ているこの世界に、驚嘆に値する神秘を見いだす詩人の眼。2025/01/18
Fumitaka
5
ローマ留学の後半部。英気を養ったゲーテは最後には出発を決めた以上「二週間前に発っていればよかった」(p. 407)とまで書いておりやる気が戻ったようだ。実際にこの巻では芸術家としての在り方や「美」についての議論が多くなっている。岩波文庫の方では入っていたかどうかわからないミラノ娘の肖像(p. 168)が掲載されている。しかしマッダレーナ・リッギの身上についてはやや文学的誇張も入っているらしい(p. 453)。ラファエロの骸骨が偽物らしいこと(p. 378)など周辺情報の注がありがたい。2024/07/15
Yasuhiko
3
1787年6月から翌年4月までのローマ滞在記。ゲーテは芸術家や名士と交流し、絵画や彫刻に親しみながら創作に没頭する。戯曲の執筆や「ファウスト」の構想を練る姿は、現代でいう「ワーケーション」の先駆けとも言えるだろう。 30代でのこのイタリア体験が、後のゲーテの創作意欲を大きく高め、文豪としての礎を築いたのではないか。読後、200年後を生きる自分もイタリアを訪れてみたいと思わされた。2025/12/18
misuzu
3
飽くなき探求心。ゲーテほどの人でも、まだ学ぶ事がある。そのみずみずしさが、一文一文からほとばしってくる。羨ましいのは、カウフマンと親交のあった事。モーツァルトのオペラにも触れている。ピアノを学ぶ私にとって雲の上の存在のモーツァルトも、ゲーテがイタリアを旅していた時には存在していたのだ。ゲーテの好奇心に、必死になりながら付いていく自分を想像してしまった。これからフランス革命が起こると思うと、束の間のクリエイティブ休暇だったのだろうか。2022/02/21
yokkoishotaro
2
下巻というか、第二次ローマとなってだいぶ落ち着き、感性の鋭さが際立つ文章になってきたのではないだろうか。 時間がそうさせたのか。しかし、そんな時期は短かったようで、心がローマから離れていてしまったようだ笑 ゲーテの人間性が垣間見えた。2023/11/30
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