内容説明
相撲界の常識は世間の非常識
時に物議を醸しながらも、かたくなに伝統を守り続ける相撲界の不思議は、知れば知るほどハマること間違いなし!
力士たちの激闘を通して、日本の文化・歴史を再発見する魅惑の相撲ワールド!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
69
本場所が始まる前に読了できてよかった。5~6割は知識として理解できていたが、まだまだ奥が深い大相撲の世界。興行でありながら、宗教的なところも併せ持っているというところが、明らかに非日常なので惹かれるのだろう。興味がない人にはとことん理解できないジャンルだと思う。それで構わないけれど。2022/03/12
kawa
32
図書館新刊コーナーから。かつて横綱審議員で砂かぶり席で力士の下敷きになり肋骨の骨折経験を持つ著者による大相撲アレコレ。徳俵から始まって幟までの舞台装置と神事としての相撲の関係の解釈も興味深いが、それ以上に行司を始めとする裏方の人々の役割が面白い。行司って取り組み時の差配以外にも場内アナウンスや記録係(相撲字の熟達が必須)巡業時の座席割りや切符手配までするんですね。びっくり。怪我で将来を嘱望される若手力士の将来が危うくなる現在の相撲界のハード・スケジュールに対する著者の心配や公傷制度の復活提言は大いに賛成。2024/06/21
Tomomi Yazaki
27
内館先生の幼少期のお話から始まりました。なぜ大相撲が好きになったのか。そこには深い悲しみと、淡い恋心があったようです。そして本題の大相撲。まずはと徳俵。ベタな内容かと思っていたら、その役割や、名前の由来など、今まで気が付かなかったモヤモヤが晴れ、腑に落ちました。そのほか、知っていたことにももっと深い意味や役割があることを、この本で知りました。二の口や式守・木村の違い、それからなんと清めの水は、柄杓ではなく最初は盃で、双葉山が盃で水をつけている写真もあるとか。うーん、やはり年の功にはかないません。あ、失礼。2022/05/06
ようはん
25
大相撲に関する事柄で初めて知る内容も多くためになる。前巻でも感じた事であるが内館先生の大相撲にかける探究心は凄い。2023/02/25
gtn
23
張出制度が平成6年に廃止されたことに、今更ながら気が付いた。確かに、今の番付表には、両端に出っ張って記載された張出欄がない。本制度は文久3年から131年間続いたというが、伝統を頑なに重んじる割に、大胆な改変もする相撲界の不統一感が面白い。2024/07/26