ミステリ・フロンティア<br> 431秒後の殺人

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ミステリ・フロンティア
431秒後の殺人

  • 著者名:床品美帆【著】
  • 価格 ¥1,899(本体¥1,727)
  • 東京創元社(2022/04発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488020170

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内容説明

写真を撮る楽しみを教えてくれた、松原京介の不可解な死。離婚話で揉めていた彼の妻は、関与が疑われたものの、死亡時刻にはタクシーに乗っていた。どこをどう見ても、不運な事故としか考えられない状況だったが──恩人の死をその妻の仕業と確信した駆け出しカメラマンの安見直行は、祖母の助言によって六角法衣店を訪れる。店の主は代々京の辻や橋に立ち、道のさざめきから神託を受け、失せ物を見つけ出すことができるというのだ。直行は恩人の死亡事故を他殺と証明する証拠を探して欲しいと依頼するが、若くて無愛想な店主・六角聡明からは、けんもほろろに断られてしまう。だが、直行の撮った一枚の写真がきっかけで、六角は事件の証拠探しに協力を約束する。現代のガジェットによって構成された不可能犯罪を、緻密な論証で見事に解き明かす表題作ほか全五編を収録。第十六回ミステリーズ!新人賞受賞者による出色のデビュー連作集。/【目次】第一話 431秒後の殺人●これは計算尽くで偶然の可能性を限りなく必然に近くなるまで高めた――殺人事件だよ。/第二話 睨み目の穴蔵の殺人●最近、お客さんから「襖の武将の目が動いた、絵の中から睨まれた」なんて言われるんです。/第三話 眠れる映画館の殺人●幽霊でもない限り、無理やん? だって誰にも首を絞めたりする時間なんかなかったやんか。/第四話 照明されない白刃の殺人●オレ達がそいつの後を追って角を曲がるまでに、次の瞬間にはもう通りから姿が消えていたんだ。/第五話 立ち消える死者の殺人●この部屋に入院した人はな、夜中に攫われて二度と戻ってこられへんねんて。/著者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みかん🍊

93
京都を舞台に法衣店主であり辻占の六角をカメラマンの直行が恩人の死の真相を求めて訪れるところから始まる5話の事件簿、しかし二人の周りで殺人事件起こり過ぎやろと探偵物にありがちな突っ込みをいれる、辻占いというより殆どが六角の推理で解決、4話のDJは自業自得やろと言いたくなる最低な人間だった、そんな人をすぐ信じてお節介を焼いて調べる直行は名前の通り直行過ぎて人が良すぎる、冷静で皮肉屋な六角とはいいコンビです、5話は六角の母の失踪事件が明かされり切ない結果でした、二人のシリーズがまだ続きそうな感じです。2022/07/27

aquamarine

82
失せ物を見つけ出す辻占の達人である法衣店の主・六角の元に叔父の死亡事故の真相を知るためにやってきた、カメラマン安見。彼らは事故の前の様子を詳しく調べ、真相を明らかにし、その後バディのように様々な事件に当たることになる。辻占とはいえ事件を解き明かすのは情報収集から導き出される理路整然としたもので、様々なトリックはどれも綺麗で読みやすい。安見がお人好しすぎるので心配になったがそれも物語の味なのだろう。5編全てが血生臭い事件だが、ラストがぼやけないところも好み。特に最終話のラスト3行は気に入った。次作にも期待。2022/06/24

R

69
そんなことあるか?と思いつつも、凝ったトリックの事件を扱った推理小説。犯人がどうしたとか、動機がなんだとかではなく、どうしたかというところが面白いので、さくさく読めてよかった。割と犯人がひどいというか、でてくる人間が主人公サイド以外は、だいぶ悪い感じなのでもやっとすることもなく懲悪を楽しめるのもよかった。表紙だと優男の絵だけど、読んだ感じでは、もっとおっさんぽいというか、ワトソン役が美男で、探偵はもっさりしてる方が合ってるように思ったが余談だな。2022/10/06

koma-inu

61
連作5短編集。「京都辻占探偵六角」という響きがいいです。ただし、占いで解決する事はあまり無かったですが😅六角とワトソン役の安見の掛け合いは面白い、特に最終話に安見が感情的になるところは、ジーンと来ました。イチオシは表題作「431秒後の殺人」。自動殺人トリックは、なかなかダイナミック。こんなの無理やろ!と思われるかもですが、京都のキッチリした街並みならあり得るのかな?と、京都に2年住んでた私は思いました。2022/12/19

さっちゃん

55
京都の細い路地の奥、袋小路の行き止まりにある『六角法衣店』。失せ物探しでは天下一品と評判の「占い師の六角さん」を探して店を訪れたのは、駆け出しカメラマンの安見。事故が他殺である証拠探しを依頼した安見に六角は協力することになり…。/不可能犯罪のハウダニットを解き明かす5編からなる連作短編集。無愛想な六角とお人好しの安見のコンビが良い空気感で、作品の雰囲気を和らげる。物理トリックや心理トリックなどを用いた事件の謎解きはミステリとして面白く、物語としても読みやすい。ぜひシリーズ化してほしい作品。2022/06/23

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