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内容説明
舞台はイタリア中部の寒村フォンタマーラ。村民たちが代々管理、利用していた水が、ある日を境に政府と結託した有力実業家によって奪われてしまう。ファシスト集団による横暴に抵抗をつづける村民たち。彼らが最後にとった手段は……。刊行直後から各国語に翻訳され、反ファシズムのベストセラーとなったイタリアの作家シローネの代表作。70年ぶりの新訳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
75
反ファシズム関連の本だということなのですが、そのようなことを抜きにして喜劇調あるいは劇にできそうな物語で楽しめました。イタリアのうら寂しい村のある意味日本にもあった水あらそいのような話です。解説はしっかりと書かれていてまた時代背景やその政治的な話もあるのですが私はそのようなことは抜きにして楽しみました。2022/09/23
Shun
33
70年ぶりの新訳となるイタリア文学。ファシズム体制下のイタリア、架空の農村フォンタマーラの人々は資本家の横暴により窮乏を極めていた。都会人に都合の良い法律を作っては搾取を重ねていく様が描かれ、この構造は何もイタリアに限ったことではないために世界中で共感を得られたのだろう。また翻って現代の日本でも、格差の広がりがこのような文学作品を受容する土台となることだと思われます。また都会人がろくに文章を解せない百姓に対して行った詐欺のやり口が契約者間の情報非対称性を利用したもので、これもまた現代に通ずる普遍性がある。2021/10/20
まると
23
斎藤幸平さん推薦と帯にあるのを見て衝動買い。反ファシズムの書とうたっているが、田舎の無知な百姓をいたぶる圧政そのものを描いた作品なのかなと思う。「今、この世の中を実際に治めている神様、金だよ。すべての人間を従わせるんだ」といった台詞には資本主義への批評的な目が見てとれ、トロツキーが絶賛したのも分かる気がする。ただ、現代に近い1930年代の作品とはいえ、ローマ教皇のおひざ元だからか聖書からの引用や不知の聖人名が多分に出てくる上、訳し方も難しかったからか、ぎこちない日本語が多く、何とも読みにくい外国本でした。2023/01/18
てれまこし
13
これもイタリア南部の農村が舞台の小説。元は共産党の反ファシズム闘争プロパガンダとして構想されたものらしくて、トロツキーにも絶賛された。だが、今日ではむしろ農村問題の普遍性の方に目がゆく。発刊と同時に話題になり世界中で翻訳出版される(インドでベンガル語の訳まで出たらしい)が、翻訳という偽装のもとに自国政府を批判しているのではという嫌疑をあちこちの政府当局からかけられた。それくらい近代文明による農民の収奪はファシズム政権に限らず世界共通性をもっていた。むろん日本も例外ではないが、邦訳は戦後までされていない。2022/08/12
fseigojp
13
イタリアでは忘却されてしまったプロレタリア文学の名作 これがあるから光文社古典新訳は有り難い2022/03/20
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