内容説明
北海道から茨城に引っ越した五歳の「私」。好きなことはペンちゃんの漫画を描くことと、家で遊ぶこと。新しい幼稚園は、うるさくて、トイレに汚い水があって、男の子が肩を押してきて、どこにいても身の危険を感じる場所だった。ある日、おゆうぎの部屋が誰も来ない安全な場所だと知り――。卒園までの半年間を幼児の目線で描く、著者初めての私小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のりすけ
21
主人公・幼稚園児。手先が器用で表現力も豊か。繊細で好き嫌いが多くて、コミュ能力に多少問題あり、運動神経皆無。そんなおこちゃまが幼稚園に放牧されて体験する世間の恐ろしさったら。トイレ怖い、給食嫌い、男子イケズ。こんな小さなころから生きづらさを感じなくちゃいけないのはちょっと辛み。2023/09/07
山猫
13
ごめんなさい、2ページでgive up。合わなかった。2022/04/27
めぐ
9
幼児の視点で書かれた日常の話。10代の視点で書いた小説は巷に溢れているが、幼稚園児はそうそう無いので新鮮。幼児を育てている者にはなかなか面白い。潔癖で周囲を見下した内向的で芸術家肌の少年、と言うと育てにくそうだがなかなか親には気を使う。あまりステレオタイプな子供像じゃないところがまた新鮮。流石に共感はないので時間はかかったがまぁまぁ楽しく読んだ2022/10/09
水さん
4
幼児の記憶なんてまるでないけど、園児目線のこの物語は、記憶がよみがえるようで面白かった。2022/05/15
nkwada
2
タモリ倶楽部によく出ていた能町みね子。エッセイかなとと裏筋を読んだら、はじめての私小説とあって、小説ならと手に取った。トイレを怖がる幼稚園児の話で、文章はウィットに富んだというのだろうか、洒脱な感じがしなくもないが、話自体はつまらなかった。2023/05/25