動物意識の誕生 下 - 生体システム理論と学習理論から解き明かす心の進化

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動物意識の誕生 下 - 生体システム理論と学習理論から解き明かす心の進化

  • ISBN:9784326154753

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内容説明

何があればその生物に「意識」があるといえるのか? 多くの研究者がこの「進化の目印」を求めている。神経機構か、感覚器官か。否。「学習」こそがカギだと喝破する著者二人は、脊椎動物、節足動物、頭足類をも射程に捉え、意識がカンブリア爆発と同時に進化したと推定する。動物意識の源流へと向かう緻密な探究をともに追随する体験!

目次

II 心の進化に起こった、いくつもの重大な移行

第六章 神経への移行、最低限の意識を構成する部品
 神経への重大移行──新たな情報システム
 最初の神経系と、それを備えていた動物
 刺胞動物での前身と実現可能化システム──全体感覚と非連合学習
 刺胞動物に制約下連合学習はあるのか?
 主観的体験の構成部品?

第七章 連合学習への移行──第一段階
 連合学習──区別と段階
 オペラント条件づけと古典的条件づけの区別──進化の視点
 連合学習の進化的起源に関する初期の見解
 学習の進化──細胞と分子のメカニズム
 階層をずっと下降する──細胞記憶と神経記憶の関係
 制約下連合学習の進化
 制約下連合学習する動物は最低限の意識を備えているか?

第八章 無制約連合学習への移行──サイコロの重心をずらす方法
 モデルを通した学習──結び合うパターン
 階層的推論を通した情報の統合
 無制約連合学習のトイ・モデル──その機能的特徴
 カテゴリー化し、動機づけを行う感覚状態としての心的表象
 無制約連合学習とそれを支える構造の分類学的な分布
 制約下連合学習から無制約連合学習へ──発生神経モジュールの重複と新奇なエングラムの使用

第九章 カンブリア爆発と、その魂あふれる派生
 エディアカラの園からカンブリアの軍拡競争へ
 カンブリア爆発の数多くの原因
 行動や学習に駆動された可塑性の進化
 ストレスと学習、そして両者の共進化
 ポパー型生物の進化

第十章 ゴーレムの苦境
 基本前提に立ち返る
 細胞の認知、意識を備えた生
 ゴーレムの苦境
 理性霊魂の進化

原注
訳注
訳者あとがき
図の出典
引用文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yooou

7
☆☆☆☆★ 進化の過程において人間がもっている意識のもととなる最低限の意識はいつどの動物に芽生えたのか。一つの動物に一度きりの発現だったのか複数の動物で複数回起こったのか。途轍もなくスリリングな話でとても面白く読ませていただきました。2021/08/24

プロムナード

5
人類史上の進化論、意識論を総ざらいしてから、カンブリア紀の生命に意識が宿った瞬間を描き出し、最後にIMという仮想人物が現れて「では機械に意識は生まれるのか?」と問いかけるというワイドスクリーンバロック学術書。特に面白いのは「進化」と「意識」の類比で、どちらも「無数の可能性からの選択(他のすべての排除)」という仕組みだという。これ生成AIの方法だと思ってたら、しっかりそこにもつながってました。「意識」があるから学習できるのではなく、学習するから「意識」が現れる。脳神経の発火が副次的に意志を感じさせるように。2023/06/10

gachin

3
自己の身体学習について思考が整理されたのは有益だった。学習が身体形態の安定性に依存してるのを引き合いに出して、それをバウプランの安定性に寄与したかもと結びつける議論が面白かった/ ガルシア条件付けに選択圧がかかるとボールドウィン効果になる?/ こういう本の常なのかもしれないが、提示された仮説がなぜ妥当なのかの説明が少し薄い気がした。なんというか「我々はこう考えてます」って書いてるだけな部分も多かった印象/ 本書の裏テーマは生物学的(自然科学的)目的因の復権。2021/10/31

黒豆

3
上巻の意識とは何か、神経系との関係から始まり、下巻は連合学習がキーか!予断的だが、タコの脚の制御の機能が興味深かった。2021/08/11

mim42

3
大作。正直読みづらかったが、翻訳のせいではない。他の関連文献数件とともに、本書のサマリを下記のスライドにまとめた(期間限定公開)2021/07/31

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