内容説明
「小学校一年、初めての登校日、学校中から「ジョユー」と呼ばれたときに、自分を可愛がってくれているのは母ではなく「ジョユー」という生き物なのだと知った。幼い私にとっては酷く恐ろしいことであった。その「ジョユー」という生き物と、私は初めて同じステージで対峙する」(本文より)。小劇団を主宰する主人公は、昭和を代表する女優のひとり息子として生まれた。大女優である実の母との葛藤を胸に、〈母への復讐の物語〉を演出する──。テレビ、映画で活躍する著者による、10年ぶりの最新長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
としき
1
俳優であり脚本家(映画監督)であり、そして小説家としての大鶴義丹さんの作品。つい引き込まれて読んだ。舞台小説だが娘に売春を強制する毒親(母)、女優という化け物のような母親をもつ義丹自身、ふたつの親子関係を私小説と舞台の脚本と重なり合わせて表現している。脚本家らしく読んでいると、その舞台の情景が目に浮かんでくるが、なかなかその複雑な親子関係の深層まではたどり着くことが出来ない。血の繋がりが深ければ深いほど、その愛情が深ければ深いほど分かり合えないのが親子関係、その愛を失ってからでないたどり着けないのかも。2022/05/23
あざすたしあ
1
大女優の息子で小さな劇団を主宰している演出家の男が主人公。母と娘の対立を描く脚本が仕上がってきて(書いたのは彼の妻。元女優で今は脚本担当になっている)、母親役に、実母を呼ぶことになる。若い未熟な女性が娘としてくらいついて行くが… 大鶴さん自体が演劇関係者の家で生まれた人なので、部分的に自伝的要素もあるのかな? 実際に舞台の幕が上がるまでの一難去ってまた一難(チケットを売る苦労だとか稽古場の確保とか)もとても興味深かった。1本の芝居ができるまでのバックステージものとしての読みごたえもかなり濃厚でよかった。2022/02/23
K
0
いろんなアングラ俳優に想いを馳せながら、でもやっぱり義丹と李麗仙を重ねながら読んだ2022/06/29
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