内容説明
映画100年を迎えた90年代、急速に変化する映画状況を見捉えながら、しなやかな手腕で語り起こす、渾身のエッセイ集。映画をめぐる思考の冒険と、映画に内在する運動の軌跡が鮮やかな言葉で刻まれる、絶妙のエクリチュール。
目次
大阪で『王手』を見よう
小川紳介の早すぎる死は、計り知れない損失である
稀有なドキュメンタリー監督の死―書評『小川紳介を語る‐あるドキュメンタリー監督の軌跡』
やっとジャック兄さんに会えた―ジャック・ベッケル『穴』
黒沢清『地獄の警備員』は潔く倫理的な映画である〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
19
九十年代の映画は名作が揃っていたのだなと思わせられる。まずなによりエドワード・ヤンを逸早く見抜いていた著者の慧眼に感服する。その他にも『ソナチネ』『恋する惑星』『CURE』などの「時評」は読み応えあり。なるほど一流の批評家の筆に依るものであるなと思わせられる。ただ、優等生的過ぎるという感も否めない。蓮實重彦氏がテレンス・マリックに示してブチ切れたような「狂気」が欲しいところ。映画に対する情熱はたっぷり持っているのが分かるだけに、もっとぶっ飛んだ(すが秀実よろしくチャート式「時評」のような)試みを求めてみる2018/06/17
Arol Color
0
何といういうか、軽い内容ばっかりっていう感じ2021/10/26