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内容説明
いま、日本人が最も読んでおくべき「史実」がここにある! 本書は、先の大戦のアメリカ・ドイツ・日本のそれぞれの核兵器開発の動向を追いつつ、刻々と追いつめられる日本国内の状況、そして原爆が投下された「その日」までを、膨大な資料と取材によって立体的に再現したものである。著者は、こう記す。「この本は、しかし、“あの日”から今日までのことを語ったものではなく、その前の、正しくいえば、昭和二〇年一月一日から八月八日までのことを主題に、事実に即してまとめたものであります。私たちは原爆の悲惨だけを書こうとしたのではないのです。現代人が体験した『戦争』そのものをも書き、告発したいと考えたのです」。その言葉通り、本書は、「戦争」とは何かを根源的に問うたものであり、あの戦争から七〇年を経た今こそ、読まれるべき作品である。『日本のいちばん長い日』『聖断』『ソ連が満洲に侵攻した夏』に続く終戦四部作を、最新研究を増補して復刊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
り こ む ん
42
時系列にのっとり、主にアメリカと日本の核開発の経過と戦争の経過。原爆投下までのアメリカの動きと日本の降伏までの混迷。そして当日の地獄を描いた本。原爆を開発した科学者達の投下までの意見書は、目を引いた。デモンストレーション。告知投下。タラレバだけど…多分、見せられたところで、当時の日本は信じようとはせずに、国民には見せずに…同じ結果を招いたような気がするけれど、もしかしたら、もっと、もっと被害が少なくなったのかもしれない…二発目の投下は無かったかもしれないと、淡い期待をせずにはいられない。2016/08/09
トントン
17
1945年1月から8月「その日」までの日本・アメリカ・各戦場などの動向が500ページにも渡り記録されている。これにかけた膨大な資料収集と取材力に改めて恐れ入るばかり。広島以外、個人的関心は、大空襲とその前後の東京の様子。気が滅入るほど、かなり詳細・具体的に再現されている。日本の核兵器開発は鉱石不足で不成功、それはいい。愚かな精神勝利法で、どこの国も開発不可能だろうと楽観視した。「増産されたもの=法律とお金,歌わぬ音楽とシラミ 減産されたもの=物資,食糧と親切心 不明のもの=大和魂あるいは必勝の信念 」 2022/01/10
BLACK無糖好き
9
広島への原爆投下に至るまでの過程。第二次世界大戦の推移と同時進行で、裏側で繰り広げられるアメリカ・ドイツ・日本での「原子爆弾の研究」における科学者・軍人・政治家の思惑、米マンハッタン計画の進捗、徐々に運命の日が近づいてくる様子がドキュメンタリーフィルムのように描かれています。一転、原爆投下後の広島の様子は時が止まったように悲惨な状況の描写が延々と続きます。欲を言えば長崎の状況も加えて1000ページ近くの【決定版】としてほしかった。何れにせよ本書は未来永劫、版を重ねるべき作品だと思います。2015/11/27
かよ☆
8
何があったのかを正しく知りたくて読みました。膨大な資料などからまとめられていて、響くものがたくさんありすぎました。今だからわかってきたこともあって、人の愚かさに気持ちが乱されますし、5つと3つくらいの姉妹のエピソードがわたしの中で強烈に残って、いつまでも消えません。近い過去から目を背けず、もっと教訓を学んでいきたいと思います。2015/10/15
大泉宗一郎
7
原爆の落ちた日まで、日米はじめ各国の政治はどのような意思決定をしていたか、投下前に終戦にできなかったのか、そして、あの日キノコ雲の下で一体何があったのか。天皇から被爆者、日米両国の原爆開発まで、縦軸と横軸を行き交いながら、「あの日」とその後の地獄を生み出す過程が綴られる。膨大な情報量とたしかな語り口で、大作ながら一気に読了。圧倒的な読後感とともに、あの地獄絵図と呼ばれた瞬間と、いま自分の立つ地平が地続きで繋がっていることに再度気づかされる。ここで語られる「あの日」は明日のことでもあり、そのことが恐ろしい。2024/09/05
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