内容説明
その日まで恋はれてあるを知らざりし死のきはにのみ抱きける人……。幾たびも恋のほむらに身を焦がし、本能のままに悔いなき女の倖せを追い求めた歌人・麻緒の、哀しく、美しく、奔放な生涯。大正期の名女流歌人・原阿佐緒をモデルに、「愛の作家」が華麗な筆致でこまやかに描く、長編恋愛小説の名品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
13
日本の恋愛小説家のひとりである、連城三紀彦の長編のひとつである。大正期の名女流歌人・原阿佐緒をモデルに、愛の作家が華麗な筆致で細やかに描く、名品!という話だが……。うーん、ちょっと俺的にはダメだったようだ。父親・兄様辺りまではよかったのだけれどね、トホホ……。とりあえず以上です、ハイ。2025/02/07
harukawani
3
大正期の女流歌人原阿佐緒の、愛と歌に生きた生涯をモデルに"ある意味では僕(連城)の理想の女"を書いた恋愛長編。鬼燈(ほおずき)や口紅などを使った色気と情熱のある色彩豊かな描写はさすが連城三紀彦。解説にある通り、ミステリー要素は無いにもかかわらず、サスペンスフルな物語となっている。個人的にはあまり関心を引くテーマではないのだけど、さすがに読ませるし、連城三紀彦が書き続けた"悪女"像が色濃く、興味深い。2015/03/22
浅木原
0
実在の歌人・原阿佐緒の半生をモデルにした長編。『麻雀放浪記』に対しての漫画『哲也』みたいなもんですかね。連城作品としては『花塵』の原型みたいな感じ。モデルが実在の人物の生涯なせいか、連城作品らしい奇想やどんでん返しはなく、ダイジェスト感も少々。鬼燈の淫靡な使い方とか、場面場面の艶めかしさはさすがの筆遣いだけど、個人的には連城作品はもっと奔放に驚かせてくれるものの方が好きだな。あとがきでモデルとは全く別の女性の話になったって言ってるけど、やっぱりモデルの存在で話が若干窮屈になった印象は残るなど。2014/07/01
-
- 電子書籍
- 糖質オフのやせレシピSummer vo…
-
- 電子書籍
- 実は私は(10) 少年チャンピオン・コ…