ハヤカワ文庫SF<br> ダイヤモンド・エイジ 上

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ハヤカワ文庫SF
ダイヤモンド・エイジ 上

  • ISBN:9784150115524

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内容説明

近未来、ナノテクの発達により、文明社会は大きく変貌していた。世界は国家ごとではなく、人種・宗教・主義・趣味などを共有する者の集まりからなる、多種多様な“国家都市”に細分化されている。上海の貴族フィンクル=マグロウ卿は、孫娘の教育用にナノテクの枠をきわめた初等読本の作製を依頼するが…ダイヤモンドをはじめ、すべてをナノテクで作りだせるようになった近未来を描く、ヒューゴー賞・ローカス賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

わたなべよしお

22
 どんなものでも機械が作ってくれる、というだけでなく、様々な国家都市に、そこに住む多様な人々、思想・信条。ユニークで精緻な世界を構築するのは、やっぱり凄いよね。この世界を堪能しつつも、前半は、ストーリーがほぼ展開しないという点だけが不満。終盤、やっと話が動き始めるが、下巻はどうなる?2022/10/05

もち

14
「あたし、その子を、親に代わって育ててた」◆ナノテクにより創られた三冊の本。うち一冊を、貧しい少女が偶然手に入れた。周辺の環境や状況を取り入れ、自在に変化していく物語。巧みな演者による不可思議な共同作業は、ネルの世界を変えようとしていた。■ナノテク+おとぎ話+家族愛の合わせ技が光るサイバーパンク。とにかく「初等読本」がガジェットとして面白すぎる。自分の境遇とコマンドを入力して進めていく自動生成RPGのようで、止め時を失う魅力に満ちている。2021/07/18

Pustota

12
ダイヤモンドすら人工で作れる時代、技術により「何ができるか」よりも「何をすべきか」が重要になった時代。タイトルは前者の高度に進んだ技術そのものと同時に、後者の人類としての輝かしさをも表現しているように思える。従来の国家が無くなり、共通の価値を持つ共同体がモザイク状に散らばる世界が面白いし、技術の自由さをこれでもかと表現するようなガジェットの数々も素晴らしい。極めつけは対話して自身を書き換えていく本の存在。ある種の精神を養うために作られた本は、その目的を果たせるのか。下巻も楽しみ。2022/03/14

餅屋

9
第四長編はヒューゴー/ローカス受賞作▲ナノテクの発達は、文明社会を大きく変貌させ、世界は国家ごとではなく、多種多様な国家都市に細分化された▼娼婦の母のもと精神的にも窮したネルが〈プリマー〉の入手で、教育が進み成長する物語に見えるが、本を作ったハックワースが再教育される姿をみると彼を主人公としたビルドウングスロマンとしても読める。舞台の上海が魅力的で、毛王朝時代の後どこかで分岐したのか、地続きの未来か気になる。ビッキーという新秩序を『徳』として社会制度化しようとする気配も感じられ、下巻が楽しみ(1995年)2026/04/19

roughfractus02

8
21世紀中頃、人種宗教趣味ごとの集まりで形成される国家都市(クレイグ)が散らばる世界では、製品が全てナノテクで作成可能な技術を享受している。ナノテク・エンジニアは、上海の貴族の彼の娘のために教育用インタラクティブ・デバイス「初等読本」を作り、自分の娘にも不正コピーをし、さらにそれが偶然極貧の少女に渡る。一見ガジェットの博覧会に見える本書は、技術の使用で変わるヒト自身を描く一方、言葉を意味と直線状の時間にパッケージしてきた物語を、膨大なナノテク・ジャーゴンを配置して空間的かつ同時に眺めるテクノ地図に変える。2018/07/30

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