生活保護解体論 - セーフティネットを編みなおす

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生活保護解体論 - セーフティネットを編みなおす

  • 著者名:岩田正美
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 岩波書店(2022/01発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
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  • ISBN:9784000614955

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内容説明

仕事のあと,ベンチで眠る生活をおくる人.夫に先立たれ,年金だけではやりくりできない人.私たちの「セーフティネット」は,本当に機能しているのだろうか? 生活保護をめぐる俗論,誤解を退け,先のみえない時代の「最低生活保障」のありかたを大胆に構想する.困ったときには,誰もが「使える」「頼れる」制度に――.

目次

序章 解体でみえる,最低生活保障の新たなかたち┴1 パンデミックと「最後のセーフティネット」┴2 誤解とマイナスイメージ┴3 「必要な人」にどのくらい利用されているか┴4 もう生活保護は解体して,出直したほうがいい┴5 これまでの改革案──再構築の道筋は┴第I章 生活保護という不思議な世界┴1 生活保護とはどういうものか?┴2 古い「貧困理解」と,生活保障としての不徹底┴3 運営の二重原則┴4 具体例で考えてみると┴5 いくつかの謎──生活扶助の「加算」と住宅扶助基準┴6 何が社会扶助の保障機能を弱めているか┴第II章 国民皆保険・皆年金体制のなかの「低所得者対策」──もうひとつの「社会扶助」┴1 社会保険と社会扶助┴2 国民皆保険と「低所得者対策」┴3 国民皆年金の保険料免除・軽減制度と福祉年金┴4 「皆保険・皆年金」以外の低所得者対策┴5 低所得基準と生活保護基準┴第III章 解体・編みなおしの戦略と指針──「原理問題」を整理する┴1 基礎的生活ニーズに着目して八つの扶助をグループ化する┴2 原理問題(1) 保険と扶助の区別をどう考えるか┴3 原理問題(2) 普遍と選別の多様性と「選別的普遍主義」┴4 時代の変化に対応した制度に──その他の課題┴第IV章 提案 どう解体し,どう溶け込ませるか┴1 医療・介護サービスニーズの「標準」保障┴2 住宅手当の新設┴3 教育扶助の解体と子ども養育費の保障┴4 高齢期・障害のあるときの生活扶助はどうするか┴5 失業時の生活保障と就労支援──求職者支援制度の全面改定┴6 多様な方法での最低生活保障を┴終章 生活の「最低限」をどう決める┴1 生活の「最低限」の意味と保障水準┴2 唯一正しい最低生活費算定の方法があるわけではない┴3 「資産ベース」の福祉へ──転換は可能か?┴4 ベーシック・インカムのほうが早い?┴参考文献┴あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

awe

8
難しい。いかんせんこの分野の基礎知識が不足しているし、本書自体がおそらくかなり野心的な試論、いわば生活保護に関する議論の「応用編」であり、理解できない部分が多々あった。◆筆者は現行の生活保護が「最後のセーフティネット」となっている現状に異を唱える。要は着の身着のままの生活をせざるを得ない明日にも倒れそうな生活困窮者を主として想定した制度なんだと。それが顕著に表れているのが、生活保護の8つの扶助につき必要なもののみ申請することができないということ。これら全ての扶助が必要なほど困窮している人しか想定していない2023/05/27

ブルーツ・リー

6
生活保護を解体して、ベーシックインカムのような制度に組み替える。という内容の本だろうと思って読んだら、だいぶ違った。 なんと筆者は、現状の生活保護水準どころか、「貧困」状態にある人全てを無くすんだ、との主張で、しかもその貧困にある世帯全てに、最低ラインではなくて「人様から見て恥ずかしくない水準」にまでお金を給付するのだという。 机上の空論!そんな財源がどこにあるのか。 今の最低限を保証する生活保護でも年間3兆円かかっているのに、貧困世帯全てに「恥ずかしくないお金」を渡したら、いくらかかると思っているのか。2022/01/20

ぽん

3
生活保護を論じるとどうしても貧困の話になるし、水際作戦等運用上の問題も多々指摘されるところだけど、本書は年金も含めた社会保障全体のなかで生活保護を位置づけようとしている。研究者が意外と多くないというのはそのとおりかもしれなくて、制度論としての生活保護はあまり読んだ記憶がない/生活保護がすべてを引き受けすぎだというのはその通りだと思う。保険料減免や就学援助など、細かい制度説明はすらすらとは頭に入ってこないんだけど、だからこそ複雑にさせずに広い視野で解体して組み立て直してほしいと感じるところ2022/03/20

ぞだぐぁ

1
副題に「セーフティネットを編みなおす」とあるように現在の生活保護制度を別の形にしたらいいんじゃないかって本。 水際作戦や不正受給と言った話や現在の形になった経緯なども分かり易く纏められていて、かつ所得税とか奨学金等他の制度も合わせて組みなおしたらいいんじゃないかって話。 イエ制度に拘っていることもあるだろうが日本は生活保護の前に扶助させようとする範囲が広すぎるとか、シングルだったら母子だけじゃなく父子だって厳しいだろうって当たり前の事でなぜか差別されてるとか就職をする意欲が無ければ支援を与えない(続く2022/05/13

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