内容説明
相対論の創始者アインシュタイン自らがおこなった講義をまとめた本.特殊相対論から一般相対論までを解説.付録は,重力を含めた場の理論の統一に挑戦し,死の直前まで改訂を重ねていたアインシュタイン本人の思考過程の記録である.この講義の翌年ノーベル賞を受賞した.一般相対論の発表100年を機に文庫化.(解説=江沢洋)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
目次
訳者のまえがき┴目次┴第五版への覚書┴相対論以前の物理学における空間と時間┴特殊相対性理論┴一般相対性理論┴一般相対性理論(続き)┴第二版への付録┴付録Ⅱ 非対称場の相対論┴解説(江沢 洋)┴索引┴┴
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
molysk
50
1905年に発表された特殊相対性理論は、互いに等速度運動する慣性系の間の座標系変換において、物理法則の不変性を要請するものであった。1916年に完成された一般相対性理論では、座標系変換の範囲を加速度系へ拡張させるため、重力があることと加速度運動していることが等価であると要請した。この考えによると、質量によって時空間に歪みを生じる。巨大な質量をもつ天体が加速度運動を行えば、時空間の歪みは重力波として伝搬する。この重力波検出を功績として2017年のノーベル賞が授与されるなど、相対性理論は未だ実証の途上にある。2024/03/30
よしひろ
14
難解だが、興味は持てた。理系の本をもっと読みたいと思った。ニュートンやユークリッド、ハッブル、マックスウェルなど様々な数学者、物理学者が登場し、その礎の上にアインシュタインの成果があるのだと学んだ。2016/03/20
roughfractus02
10
プリンストン大学での4回の講義を収録した本書は、機関車からエレベータへの思考実験の転換を辿る旅でもある。著者は、直線状の時間と箱としての空間を伸び縮みする時空に変えた点に自らの理論の物理学史的意義を認める。特殊相対性理論では機関車と等速度運動から観測者の同時性の相対性が、一般相対性理論ではエレベータと加速度運動から歪んだ重力場が導出される。地球は太陽の周りを回るのではなく、円錐の内側のように歪んだ時空を進むのだ。一方本書は、量子力学的な時空の非連続に対して、この時空の連続性にこだわる著者の姿勢も示唆する。2022/01/18
がりがり君
7
ニュートン近似のところに差し掛かるといつも「手品か」と思う。理論と言うより思想を追うという意味で良書。2016/07/02
がりがり君
4
天才が見てた風景2016/03/04