内容説明
名著の誉れ高い「新しい古典」、待望の邦訳!
ドイツ歴史学の泰斗、トーマス・ニッパーダイによる「19世紀ドイツ史三部作」の第一巻である本書は、世紀の幕開けから普墺戦争まで、ナポレオンからビスマルクまでを網羅し、「新しい古典」として名著の誉れが高い大作だ。
ニッパーダイは、批判的・社会科学的な歴史学に対して、当時の状況や可能性に基づいて出来事を理解しようとする立場に立った。批判的歴史学の政治史解釈の一面性を鋭く指摘し、よりバランスのとれた解釈に道を拓いたといえる。本書では、政治的な出来事を中心とした叙述に留まらず、かつてカール・ランプレヒトが(「出来事史」に対して)「状態史」と呼んだもの、第二次大戦後の西ドイツでは「構造史」や「社会史」「社会構造史」などと呼ばれたものに、紙幅を大きく割いている。政治から生活・労働・経済・宗教・教育・学問・文化まで、各分野の研究成果を採り入れ、総合的・全体的に把握した圧巻の歴史書。
ニッパーダイはこの「19世紀ドイツ史三部作」で「ミュンスター市歴史家賞」、「ドイツ歴史家賞」の栄誉に輝いた。図表多数・参考文献収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
シリウスへ行きたい
20
ようやく読み終えた。やっと。ドイツの19世紀前半の歴史である。1,866年まで。日本が幕末、ヨーロッパも、また非常に厳しい状況にあり、ドイツもまた大変な時期であった。この本の(上)は比較的、早く読了した、(下)はなぜか遅々として進まなかった。ドイツの、プロイセンやその他の領邦国家、ドイツの歴史に詳しくない。それがかえって、進捗の遅さを物語るものである。歴史は、政治、宗教、思想だけでなく産業や農業その他もろもろが国家や民族に影響する。そのことが痛切に感じられた。いい本であった。歴史に対する認識が深まった。2021/11/03
てれまこし
11
著者はヘーゲル論文で博士号をとり、後に歴史学に転じた人。それもあってか、出来事を因果関係に基づいて時系列に並べていくのではなく、全体のなかに個別領域を位置づけていくような構成になっている。「状態史」とか「構造史」、いわゆる社会史とか文化史と呼ばれるような記述が大半を占める。かといって社会学のように静態的システムの記述ではない。歴史の単なる背景なのでもない。このような「状態」や「構造」もやはり時間の流れにあって、出来事と関わりつつ変化していく。学問もやはり学校制度などを通じて政治や経済と関わりを持ってくる。2022/03/27




