内容説明
戦うのは自分のため。だけど、最後の力はみんながくれるんだ。――具志堅用高氏(元WBA世界ライトフライ級王者) 夫のDVから逃れ、シングルマザーとして小学生の娘を抱えながら働く三十三歳の愛。何に対しても自信がなく、気弱な彼女が出会ったのは、寂れたボクシングジムだった。最初は同僚に誘われ、渋々通い始めた愛だったが、徐々にボクシングの魅力に目覚めていき……。子育て・仕事との両立、プロ試験の年齢制限、別れた夫の妨害や世間からの偏見――さまざまな困難に立ち向かい、闘う女性を描いた勇気と再生の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツン
87
おもしろかった。ただ、チャンピオンは、強すぎて対戦相手いないなら、階級あげて2階級制覇、3階級制覇を狙えばよかったのでは?相手に8キロ減量させるよりは。2023/01/29
おぬち
31
DVを受けてた主人公が意を決して娘を連れて逃げる。その先で出会ったボクシングという王道ストーリー。DV夫をフルボコにするシーンはよ来い!!と最初見ていたが終盤は主人公の心情、まわりの仲間の暖かさに涙腺刺激されました。読了感最高のオススメの作品2022/01/20
やま
10
夫のDV被害から逃げ、幼い子供と隠れながら生活する主人公。自身を失い孤立している状況の中でボクシングに出会い、弱い自分に打ち勝つために困難に立ち向かっていく。成長物語。最後の展開はハラハラしたけど一気読みでした。2022/06/11
わいほす(noririn_papa)
8
単行本時にスルーしたのは、夫のDVから幼い娘を守るため主婦がボクシングを始めるというプロットが、少し前に読んだ荻原浩さんの短編「ヒット・アンド・アウェイ」にそっくりだったから。文庫本になり、著者がtwitterで何度も宣伝するので(笑)、つい購入。敵がDV男ではなく世界チャンピオンで、噛ませ犬の挑戦者になるあたりは荻原さんのとはスケールが違って、もう「ロッキー」だった。中盤ボクシング事情を忠実に描写しすぎて、もたついた感があったけれど、最後の試合は圧巻で、挑戦者が何度も立ち上がるたび目が潤んでしまった。2022/02/16
ohion
7
負け続け、逃げ続けの人生からボクシングに出会って、いろんな人に支えられて自分の誇りを取り戻す。みんながいるから闘える。DV夫との対決、最後のタイトルマッチとページを繰る手止まらない。連続TVドラマのように小気味よくつづく展開もまたいい。面白かった。2022/03/04