アイドル論の教科書

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アイドル論の教科書

  • 著者名:塚田修一/松田聡平
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 青弓社(2022/01発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784787234087

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内容説明

AKB48が中心となって巻き起こしたアイドルブームは社会現象になり、いまではアイドルは文化として日常に定着したと言ってもいいだろう。だが、例えばアイドルの好き嫌いを熱心に語ることはできても、もう一歩踏み込んで論じることはなかなか難しい。

大学生のレポートや卒論の相談を通してアイドル論の入門書の必要性を痛感した著者が、「学習参考書」という形式で、文系・理系に分けて「アイドルの論じ方」をレクチャーするのが本書である。

「国語」「歴史」「数学」「地理(都市)」といったトピックスから女性グループアイドルのパフォーマンスを読み解き、アイドル文化の知的な楽しみ方、そのための視点を提供するアイドル研究のための入門講義。

目次

はじめに 塚田修一

文系篇 塚田修一

第1講 アイドルと国語を考える――「カワイイ」が作る女性ファン
 1 増殖する女性アイドルの女性ファンと「カワイイ」
 2 言語論的転回と構築主義
 3 「かわいい」の時代
 4 「カワイイ」の時代
 5 “関係性”を志向するファンたち
 6 言葉が開く/閉ざす回路

コラム 「君は僕だ」 松田聡平

第2講 アイドルと「卒業」を考える――アイドルの「時間」について
 1 あっちゃんとあかりん
 2 学校の時間/アイドルの時間
 3 時間の比較社会学
 4 アイドルの時間/ファンの時間
 5 時は流れない、それは積み重なる
 6 同期される「夢」までの時間

コラム スキャンダルと自己承認 松田聡平

第3講 女性アイドル“ファン”の「歴史」を考える――あるいはアイドルファンのメディア史
 1 アイドルの引退を阻止したファン
 2 アイドルとメディア
 3 全キャン連と親衛隊
 4 「よい子の歌謡曲」というサークル
 5 オタクからヲタクへ
 6 「たまり場」としての握手会

コラム アイドル・ドキュメンタリー・レビュー 松田聡平

理系篇 松田聡平

第4講 アイドルの“アーキテクチャ”を学ぶ――次世代アイドルを設計しなさい
 1 アイドルのアーキテクチャ
 2 規律のアーキテクチャ
 3 振る舞いのアーキテクチャ
 4 マイノリティのアーキテクチャ
 5 内部と外部のアーキテクチャ
 6 編集権限のアーキテクチャ
 7 ロマンチック・ラブ/ロマンチック・クラブ

コラム アイドルとプロレス 塚田修一

第5講 アイドルの“数学”を学ぶ――アイドル現象にはまる理由を数学的に証明せよ
 1 なぜ、アイドル分析に数学が必要か
 2 “数学”というアプローチの可能性
 3 アイドルソングと“数学”
 4 アイドル分析の主/客ジレンマ
 5 アイドル周辺現象の定量的分析
 6 握手会現場での巡回セールスマン問題
 7 生写真交換の確率論的分析
 8 アイドル現象にはまる数理モデル
 9 なぜAKB48は48なのか/その解答

コラム AKB総選挙の楽しみ方 塚田修一

第6講 アイドルの“都市空間”を学ぶ――どのようにして、秋葉原はAKB48になったのか、論じなさい
 1 アイドルと都市空間
 2 集落/都市としてのアイドル
 3 集団空間としてのアイドル
 4 渋谷の“猶予性”
 5 秋葉原の“近接性”
 6 地方都市の“白紙性”
 7 アイドルが再定義する都市

コラム なぜ秋葉原は「アイドルの聖地」なのか? 塚田修一

最終講――ホームルーム 塚田修一

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

サイバーパンツ

11
アイドルが好きだが語る言葉を持たない学生に向けた本。アイドルのアカデミックな論じ方を二人の著者が講義していく。文系編では女性ファンや卒業、ファン史など、理系編ではアーキテクチャ、数学、都市などの視点から論じる。どちらも面白く読めたが、内容自体にそこまで新鮮味はなく、色んな理論の使い方を実践で示したという感じ。2018/09/14

しゃん

2
アイドルをあらゆる視点から考察した一冊。松田先生ファンとして買ってみたけど、だいぶマニアックに考察されてて所々言ってることについていけなかった…。興味深く読めたのは「マイノリティのアーキテクチャ」と「編集権限のアーキテクチャ」。2017/09/25

Jey.P.

1
アイドル論の様々な切り口を紹介した本。多くの切り口を浅く語る感じだが、全く取っ掛かりがない人に対してはいいのかも。卒業やカワイイの用法の変遷や、握手会のコミュニティの現場としての意味合いなどが興味深かった。産業史などがもっと読みたい。2021/02/05

sayanu

1
AKBグループを中心に、文系編と理系編に分けて文章化。やはりAKBに偏りすぎな見方はあるものの、様々な理論に言及するのをみるのは楽しかった。 男性アイドルへの言及はないので、ジャニーズはじめ韓流など論じてみたくなった。 全体的には消化不良感は否めない。が、そこまで追求する性質の本ではないのだろう。2017/12/31

田中峰和

1
文系と理系2人の講師がそれぞれの切り口でアイドルを論じる。70年代に入り未成熟な可愛らしさで魅了する日本型のアイドルが全盛となった。アイドルの元祖、南沙織がデビューしたのは71年。歌や演技を批判されてもアイドルですからと言えば許されたのはこの頃からと阿久悠は語った。0年代後半からはAKB48の時代。総選挙や握手会という経済原理最優先のビジネスは一部ファンに見放され、その反動としてももクロの人気が形成された。ダンスや歌、ルックスのコンプレックスを語り、同情を引いて13年選挙で勝利した指原の戦略は見事だった。2017/03/12

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