創元推理文庫<br> 平凡すぎて殺される

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創元推理文庫
平凡すぎて殺される

  • ISBN:9784488165048

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内容説明

28歳のポールの特徴は“平凡すぎる”顔だ。わけあって無職のまま、ボランティアで病院を訪れて、彼を自分の息子や甥と思いこんだ老人たちを癒す日々を送っている。ある日、末期ガンの老人を見舞うと、錯乱した彼に誰かと間違われてナイフで肩を刺されてしまう。老人は亡くなり、警察は恐ろしい事実に気がついた。彼は悪名高いギャングで、有名な誘拐事件の関係者だったのだ。警察に衝撃が走る一方、ポールは爆弾で命を狙われ、さらに……。身を守るには逃げながら誘拐事件の真相を探るしかない!? 巧みな構成が光るノンストップ・ミステリ!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

147
いわゆるユーモアミステリとは、探偵役が道化じみていたり無能なのになぜか事件が解決してしまうパターンが多い。本書もその系統かと思いきや、主人公の青年や相棒の看護師、くたびれた刑事たちも揃ってありがちなキャラ設定だ。そんな平凡な小市民が平凡ならざる誘拐事件に巻き込まれ、思いがけず奔走せざるを得なくなる姿が笑いを誘う。ギャング団や警察上層部などうさんくさい面々も山盛りで、その行動も意外とまとも。コメディアン出身の著者は真面目さが招く失敗や愚かさこそ読者をくすぐると心得ていて、おふざけでなく上品に笑わせるくれる。2022/05/02

ナミのママ

65
“平凡“な容姿を生かして病院ボランティアをしているポール。老人たちは彼を息子や近隣の若者と思い込んでいる。28歳の青年がなぜ無職でボランティアをしているのか?最初の疑問はそこだった。病院内で老人に刺されたところから進み出すドタバタ劇。刺した老人は死んじゃってるしギャングの一味だったし。関わった看護師を巻き込んでの逃亡途中で少しずつ明かされるポールの過去。追いかける警察官達も個性がありすぎて賑やか。楽しいストーリーだがジョークがストレートに伝わって来ないのはお国柄か翻訳か、残念。ダブリン三部作の一作目。2022/04/12

stobe1904

62
【コミカルなミステリ】アイルランドのダブリンが舞台の巻き込まれ型のミステリ。どこにでもいるような平凡な容貌のポールは、その容貌を活かしてボランティアで病院の老人たちの近縁者を演じているが、ある日突然老人に襲いかかられて、その後なぜか命を狙われる羽目に…。頻発するジョークや特異なキャラたちが織りなすコミカルなミステリはユニークで意欲的だと思うが、個性的すぎて残念ながら私には合わなかった。★★☆☆☆2022/05/21

オーウェン

56
平凡すぎる顔ゆえ、老人ホームを慰労しても誰からも怪しまれないポール。 だがそんなポールが接した老人に間違われ刺されてしまう事態。 そこからギャングの連れではないかと勘違いされ、殺し屋が命を狙ってくる。 やたらとキャラの個性が強い奴ばかりだが、話自体があまり面白みがないのが残念。 映画や刑事の小ネタが展開を堰き止めるようになり、会話がダラダラするので、そこで評価が割れるのかも。 終盤のまとめ方も雑な感じに見えてしまった。2022/06/15

白玉あずき

50
前半のくどいギャグのネタ(注が無いとわからない)や、わざとらしく感じる状況説明が読みにくくて放り出しそうになったのだが、そこを辛抱した甲斐がありました。「ワニ町」はスイスイ読めるのになあと内心舌打ちしつつの我慢、中盤から流れに乗るとこれがまた滅法面白くなった。この面白さは登場人物達の極端な個性から来るもの。特にバニーの強烈な存在感でシリーズ続編を読む気満々に。不運引き寄せの鈴(ドラクエ)を装備した主人公、次作以降は社会復帰に成功してまともなパンツが買えます様に。ドロシー婆様の再登場も希望。2022/04/29

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