集英社文庫<br> 芙蓉の干城

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集英社文庫
芙蓉の干城

  • 著者名:松井今朝子【著】
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 集英社(2022/01発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087443158

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内容説明

江戸歌舞伎の大作者、三代目桜木治助の孫で現在は大学に奉職する桜木治郎は、その知識と審美眼で役者や裏方から厚い信頼を集めていた。昭和八年四月。女優となった姪・澪子と陸軍軍人・磯田との見合いの席が木挽座で設けられた。舞台では歌舞伎界の「女帝」荻野沢之丞が舞う中、澪子は真向いの席の男女に違和感を抱く。その翌日、木挽座そばで右翼結社「征西会」大幹部・小宮山正憲と芸妓・照世美の惨殺死体が発見された。治郎は警察から協力を要請され、澪子も自身が目撃した二人の奇妙な様子を治郎と磯田に打ち明け、それぞれの立場から事件の真相に迫っていく。歴史の歯車が戦争へと大きく動いた昭和八年を鮮烈に描く圧巻の歌舞伎ミステリー!

目次

1 黒衣の美少年
2 木挽座の見合い
3 降って湧いた襲名
4 消えた二人
5 新たなる事件
6 関西の色
7 道具調べ
8 初日の宴
9 探偵ゴッコ
10 評伝の手がかり
11 齟齬の連続
12 偶然の出会い
13 化かし合い
14 闇の魔群
15 ゴーかストップか
16 梅雨じめり
17 最期の真相
18 風呂の研究
19 静かなる退場
20 蒸し返し
21 分岐点
22 悪の根を断つ
23 海が語るもの
エピローグ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヨーイチ

28
木挽座シリーズ二冊目。現時点で最も歌舞伎全般に精通している作家が描く推理物。時代は戦前・5・15とかゴーストップ事件の頃。歌舞伎劇の殿堂木挽座を中心にした連続殺人に挑むのは狂言作者の孫にして早稲田の先生、前作から続く設定も健在。異世界歌舞伎界(木挽座、鶴亀興行とか) の着想が面白くて本筋を忘れそう。別世界とは分かっていても、ついモデルを調べてしまう。登場役者の曾孫、孫辺りが現存している訳で、不思議な感覚になる。つまり良く描けているって事なのだけれど。続く2022/02/06

Y.yamabuki

17
昭和八年の歌舞伎の劇場木挽座を舞台に、当時の雰囲気を醸し出す筆致で綴られている。ミステリーとして面白いだけでなく、梨園の人間模様や裏方の仕事、当時の世相も描かれ興味深かった。右翼や当時の先端を行く澪子の存在が、まだ自由な雰囲気は有るものの、軍靴の音が近づいて来る空気感を良く表していている。満足の読み応えでした。2022/06/06

MATHILDA&LEON

14
シリーズものとは知らずに読んだが、ほぼ問題無く読めるのが良い。歌舞伎の裏側の話も沢山出てきて面白いし、何よりテンポの良さと構成が素晴らしい。様々な意味合いを持った『芙蓉の干城』というタイトルに感嘆。これは第一作も読まねばと強く思った。本当に面白かった。(第四回渡辺淳一文学賞受賞作)2023/12/20

陽ちゃん

8
シリーズ物だったんですね。昭和初期の劇場『木挽座』が舞台。もちろん、登場人物は歌舞伎界絡み。主人公で大狂言作者の孫である桜木治郎が木挽座周辺で起こった事件を読み解いていく訳ですが、時代が時代だけに重苦しい展開でした。あと、藤太郎少年がどう成長していくのか楽しみなような怖いような…2022/03/30

はっか

4
昭和初期の歌舞伎世界の世界を舞台にしたミステリー。時代背景、歌舞伎と色々と盛り込んでいて、面白いことは面白かったけど、いまいち馴染めなかった。事件は解決したがやるせなさが残った。上層部の顔色を窺うっていうのはいつの時代もあるとは思わなくもないけど…。2023/01/09

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