岩波現代文庫<br> 不惑のフェミニズム

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岩波現代文庫
不惑のフェミニズム

  • 著者名:上野千鶴子
  • 価格 ¥1,408(本体¥1,280)
  • 岩波書店(2021/12発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784006002510

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内容説明

売られた喧嘩は買い,連帯は国境や世代を超えて呼びかける――.社会学者・上野千鶴子の発言はさまざまな波紋を呼んできたが,背景にあるのは,自身の率直な思いと,女が女であるがままの解放をめざすフェミニズム思想.1970年代以降,40年の時を刻んだフェミニズムの歩みと共にあった迫力の発言を大集成!岩波現代文庫オリジナル版.

目次

まえがき┴凡例┴序 フェミニズムの40年┴フェミニズム┴おんなの運動論┴1 燃えるマグマに形を 80年代┴性差別をめぐる不毛な応酬┴フェミニズム・いろいろ┴産む・産まないは女の権利┴全米女性学会議に参加して┴こんな女たちとなら21世紀も悪くない┴「パイの中身」を作り変える時┴首相の「未婚の母」のすすめとフェミニストのディレンマ┴いま女のおしゃべりが最高におもしろい┴差別撤廃条約で主婦は失業する?┴石器時代と現代のあいだ┴燃えるマグマにいま形を!┴働く母が失ってきたもの┴女性よ〝おしん〟はもうやめよう┴平女のアグネス┴神話こわしのあとで┴オチコボレ男とオチアガリ女のあぶない関係┴女による女叩きが始まった┴2 ジェンダー平等への地殻変動 90年代┴女と男の歴史的時差┴リブ・ルネッサンス┴「中絶」という女の権利が世界的に脅かされている┴企業社会というゲームのルール┴今もつづく「軍隊と性犯罪」┴「進歩と開発」という名の暴力┴北京女性会議リポート┴キャンパス性差別事情┴キャンパス・セクシュアル・ハラスメント┴コトバを変えれば世界が変わる┴団塊ジュニアの娘たちへ┴逆風のなかで┴男女共同参画法の意義┴農村の男女共同参画┴深刻化する女性の就職┴ジェンダー平等のゴールって?┴3 バックラッシュに抗して 2000年代┴ネオリベの下で広がる女女格差┴フェミニズムは収穫期┴元気な韓国フェミニズム┴ジェンダーフリーをめぐって┴「渦中の人」から┴役人のいる場所┴バックラッシュに抗して┴「ジェンダー」への介入┴バックラッシュ派の攻撃の本丸は「ジェンダー」だ┴つくばみらい市講演中止とジェンダー攻撃┴堺市立図書館、BL本排除騒動の 末┴「暴力」問われる自治体┴ジェンダー論当たり年に┴闘って得たものは闘って守り抜く┴原点に戻る┴4 女性学をつくる、女性学を手渡す┴連絡会ニュース発刊のころ┴初心にかえろうよ┴『女性学年報』創刊号編集長だったころ┴編集委員というお仕事 『女性学年報』の危機をめぐって┴自分がラクになりたい┴女性学は趣味だ┴女性学って何?┴女の組織論┴行商セット┴「彼女の物語」 渡辺和子さんを通してみるフェミニズム┴三〇歳のプレゼント┴自著解題┴初出一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yumiha

37
やっと求めていた「『個人的なことは政治的である』という第2波フェミニズムの標語」に出会えた本書。納得。2024年のジェンダーギャップ指数が、146国のうち日本は118位という結果は、私自身の経験から推し量っても、そんなもんだろうぐらいにしか思っていなかった。でも、第3章「バックラッシュに抗して」を読んで、「ジェンダー」や「ジェンダーフリー」に嫌悪感を抱き、押しつぶそうと禁止したり排除したりする自治体が日本各地にあったと知った。オカミがジェンダーギャップを広げた結果だったのねん。2025/02/25

壱萬参仟縁

23
1988年初出では、新しい運動論として、①ローリング・ストーン型へ、②直接・参加民主主義、③スモール・イズ・ビューティフル、④いま・ここでの解放、⑤異質性、⑥自発性と創意工夫、⑦情報集中を避ける、⑧役割分担の流動化、⑨ハレの場をつくる、⑩苦楽を共にした仲間(17頁~)。 83年初出では、産む・産まないは女の権利として、理由の有無が問題になるのは悪魔のような観念(37頁)。少子化が長期的に問題を引きずってきた原因がここにあると思う。 2014/09/30

秋 眉雄

20
『「こんな社会」に対する女たちの答えはすでに出ている。非婚化と少子化である。』岩波現代文庫の「上野千鶴子の仕事」シリーズの一冊。フェミニズム40年間に渡る最前線からの発言集。上野さんのしてきたこと、その実績の数々には尊敬もしますが、正直いつだって彼女自身に対しては乗り切れないものを感じてしまいます。何故だろう。文章から漂ってくる、滲み出てしまう、425ページ読んでもよく分からない何か。それにしても、景気が悪い景気が悪いと繰り返し書かれている80年代90年代の、今から見るその景気の良さときたら。。2021/10/13

kenitirokikuti

9
文庫オリジナルの時局発言集。上野が雑誌などへ寄稿したもの。手にするのを後回しにしていたが、解題に次に一文を見つけ、やっと上野の姿勢を理解した。〈女性学とは…あとになって「当事者研究」と呼ばれるようになる分野のパイオニアだったのだ。〉当事者(a party)の対義語は「第三者」。そうか、女性学それ自体は上野にとって当事者の立場にあるものに過ぎないのね。おれは理系くずれなので究極の「第三者」である永遠の方を信じちゃう…。別にそれが誤りということではないのだけど、われわれは何かの当事者であることの方が確かだな…2018/04/30

Francis

5
日本の女性学・ジェンダー研究のパイオニア上野千鶴子がフェミニズムについて折々に発表した文章をまとめたもの。彼女の苦闘はまさしく日本の女性の苦難の歩みそのものと言える。どの文章にも彼女の鋭い感性と優れた知性が感じられる。女性のみならず、むしろ男性に読んで欲しい本。フェミニズムは女性のみならず男性にも真の解放をもたらす思想なのだから。2012/07/25

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