岩波文庫<br> 復活 上

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岩波文庫
復活 上

  • 著者名:トルストイ/藤沼貴
  • 価格 ¥1,177(本体¥1,070)
  • 岩波書店(2021/12発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784003570050

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内容説明

『復活』は人間の復活とは何かを問う長篇で,後期トルストイ(1828-1910)の問題意識や到達点が最も多面的に示されている.殺人事件の陪審員として法廷に出たネフリュードフは,容疑者の娼婦が,10年前に自分が誘惑して捨て去った叔母の家の小間使いカチューシャであることに気づき,激しい良心の呵責にさいなまれる.(全2冊)

目次

第一編(1~59)┴第二編(1~7)┴トルストイの生涯(藤沼 貴)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

84
『幻の女』にも匹敵する序文の素晴らしさに陶然。自分が始めて愛し、だが、時間とともに堕落したがために弄んで捨てた女が、身を持ち崩してしまい、挙句は殺人容疑を掛けられたことに苦悩するネフリュードフ。己の罪深さを知った彼は全てを投げ捨て、彼女への贖罪に捧げようとする。でも最初に面会に行った時、カチューシャが罵倒したようにあの時の彼はまだ、「不幸な女を助けようとする自分」に酔っている節があるのは確かなのだ。そして問題は解決してないのに「土地は君達のものだ」と伝えた時のネフリュードフへの農民の不信にも共感してしまう2017/06/17

シュラフ

31
上下巻の作品であり、感想は下巻にて書きたい。本論からはずれるのであるが、主人公で地主のネフリュードフが自由精神により土地所有を放棄するため領地の農民と交渉するくだりが興味深い。貧しい農民らのためを思って格別に有利な条件で農民と交渉するのだが、あにはからんや農民らの表情は暗い。はなから地主に騙されると疑ってかかっているのだ。後のロシア革命に至る背景がぼんやりと見えてくると同時に、農民らの思考停止の愚かさを思う。いや農民らを笑ってはいけない。甘言に騙されたり、はなから否定したり、我々にもあてはまることだろう。2017/01/28

いちろく

28
課題本、第1編まで。陪審員として参加した裁判に容疑者として現れたのが、かって自分が捨てた女性だった。という中々無い様な唖然とする展開から動く物語。現代と過去が描かれる中で、ダメ男っぷりが目立つ主人公のネフリュードフと、自業自得の面もあるとは言え持ち前の美貌も悪い方向に働いているヒロイン兼もう一人の主人公であるカチューシャ。現時点では、タイトル「復活」の意味は解らないが、続きが気になる。余談ですが、ロシアの古典文学と身構えていたけれど、訳者の妙もあるのか岩波版の本書は凄く読みやすい。2023/03/18

たかしくん。

27
トルストイ最後の長編小説。前の2作より随分と内省的な話ですが、まずは、その広がりのある風景のような写実主義はしっかりと残ってます。話は、公爵のお坊っちゃまらしい優柔不断というか「みぞみぞした」雰囲気をもつネフリュードフと、恵まれた生活からずるずると転落し心も屈折してしまった女囚マースロアを軸に、特に第一編は当時の司法制度・官僚組織の、無機能や腐敗ぶりを痛烈に描いています。巻頭の「神聖であり大切なのは、たがいに他人を支配するために人間たちは勝手に考えたこと」、きっとこれがこの作品の通奏低音なのでしよう。2017/03/12

くみ

20
春分の日に合わせて読もうと思ってた「復活」冒頭は春の始まり土の香りのする情景描写と対象的な女囚カチェリーナの出廷シーンから。主人公ネフリュードフはかつて関係のあったカチェリーナと法廷で再開する。彼は陪審員として、女性は容疑者として。現在と過去がゆるやかに行ったりきたりする。他の周りの人々と同じように享楽に耽るネフリュードフを「自分を信じずに人を信じた結果」(p102)と作者は表現する。変化を起こそうとする気持ちに従うのかやめるのか。トルストイなら突き進むんだろうな。2018/03/21

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