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内容説明
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『この世界の片隅に』『夕凪の街 桜の国』などで根強いファンを持つ、こうの史代が週刊漫画ゴラクで連載していたオールカラー1コマ漫画をまとめた1冊。
「百人一首」の上の句5字と下の句7字を合わせた12字で主人公・フクコを中心とした日常をゆるやかに描く。
「百人一首」を解説した本ではなく、「百人一首」で使われた12文字を使って言葉遊びで新しい物語を描くという、異色の「百人一首」本。
総天然色の絵を味わいながら和歌の語感に親しみダジャレや語呂を楽しむという「感覚」に特化した1冊で、こうの史代ならではの世界観を楽しめる1冊です。
こうの史代/著
1968年広島市生まれ。1995年『街角花だより』でデビュー。おもな作品に『この世界の片隅に』(第13回文化庁メディア芸術祭優秀賞)、『夕凪の街 桜の国』(第9回手塚治虫文化賞)など多数ある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ムッネニーク
78
100冊目!『百一 hyakuichi』(こうの史代 著、2022年1月、日本文芸社) 百人一首の上の句5文字と下の句7文字を組み合わせることで新たな物語を作り上げ、それをカラーイラストで紡いでゆくという、こうの史代らしいチャレンジ精神に溢れた漫画。 こうのの柔らかなタッチと、百人一首の美しい情緒の組み合わせは相性抜群。 百人一首の入門編には最適な一冊。 『「百人一首」は、色とりどりの飴玉の詰まった缶のようでした。』2021/12/25
bura
63
こうの史代ならではの一冊。百人一首の上の句5文字、下の句7文字を組み合わせて、見立てと連想で作る一コマ漫画の連作。主人公のふくこが祖父母のお好み焼き屋を再建する話が軸になっている。百人一首すべての上の句と下の句の「組み合わせ言葉」が様々なイマジネーションを作り、多彩な一コマ漫画が続いていく。手描きの水彩画漫画がとても楽しく美しい。手元に置いて何度でも見返したいなぁ。2022/03/19
がらくたどん
50
こうのさんの絵は好きだ。本屋さんで「あれ?百人一首の漫画解説?」と思ってパラパラしたら、読み札上下語呂合わせで覚えて目指せかるた取り必勝!というコンセプトで作られた、とても「必勝!」という前のめりな競争心の見えないぼんやりとした楽しい本だった。これはお家でぼんやり読まねばと。見開きに一首。上下の語呂合わせの漫画が百場面でクラブ勤めのおたふく顔の「ふくこ」さんのどこかやるせなくほのかに甘いストーリーを描く。業平の「ちはやぶる」とか伊勢の「いにしへの」とか自分は落語で覚えていたが、こちらの方が断然可愛い。2022/04/21
ぐうぐう
49
こうの史代が百人一首を一枚の絵で表現する『百一』。ただ和歌をそのまま絵にするのではなく、早覚えの一つである上の句5字と下の句7字を組み合わせた12文字(あくまで早覚えのために組み合わされているので、この12文字は基本無意味な文字の羅列に過ぎない)から自由にイメージを膨らませている点が独創的でありユニークだ。最初の歌「天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも」からして、主人公のふくこがどら焼き「三笠」の上に乗っている絵で2022/02/12
たまきら
42
百人一首の札をもっと取りたい!わかる、その気持ちすごくわかります。暗記力凄すぎの妹、きちんと勉強して余裕の母にもまれ、落語に出てくる札しか取れなかった自分。ワクワク読み…発送は面白いけど自分はこの絵では覚えられん!とガックリ。自分で描くしかなさそう。(つまり、歌った人を調べ、歌われた場所を把握し、自分なりに解釈する)だってこうのさ~ん、ももしきやとかさあ。笑ったけどさあ。2022/04/22