内容説明
鳥のヒナは親に教わらなくても飛ぶことができる。人間の赤ちゃんも、口を密閉し、口の中を陰圧にしたうえで乳を吸うという、複雑な行動を誰にも習わずに行う。これらは全て本能のおかげである。単純な行動だけでなく、あちこちの筋肉や感覚器を総動員する、まるでオーケストラの演奏のような高度な行動も、実は本能が指揮しているのだ。これら驚くべき行動の数々を紹介し、どのような仕組みで形作られるかをも解説する
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
マッキー
11
かなり面白い。自分の子孫を残すための超合理的で緻密な行動が学習によるものではなく「先天的」な能力であること・・・やはり信じがたい。2022/08/02
美幸
7
行きとし生けるものの本能としての行動が、こうも科学的に示されて合理的というか、結果的にそれが本能であると説明されると神秘的な感じがする。2022/08/30
hirayama46
5
様々な動物に本来的に備わっている本能について書かれた本で、動物の本能といえばやはり繁殖と食事がメインで、その具体例についても多くの章が使われています。読んでいて面白かったのは6、7章のどのような行動が本能に依っているのか、脳の学習機能によるものなのかを細かく検証していくところでした。なんとなく曖昧にしていたものを細かく考えるのは楽しいものです。2024/05/08
くまくま
5
捕食、生殖において自ずと効率的な方法を取るように遺伝子が組み込まれているから本能というものはすごい。例が多すぎるので最低生き物の写真があるともう少し分かりやすかった。2021/09/18
やまほら
4
非常におもしろい1冊。すべからく生物は、自分の遺伝子を受け継ぐ子孫を残し、そのためによい配偶者を見つけ、よいものを食べようとする。人間は頭を使ってそれを実現している(はず)のだが、他の哺乳類やら昆虫やらは、それを本能で成し遂げ、結果として人間が頭で考えるのと遜色ない行動をとる。もちろん、人間も本能で行動する部分が多くある。これらが本当に、突然変異と自然淘汰の結果による進化なのか?と考えると、ちょっと怖ささえ感じた。2022/06/25




