内容説明
【カルロス・ゴーン、衝撃の脱走後、初の著書】
日産の問題は、日本の問題。
カルロス・ゴーン事件が投げかけたのは、実は日本企業の本質を深く抉ったものだった。
日本の本質的な問題は太平洋戦争のときから何も変わっていないー。
なぜ日本企業は世界で勝てないのか?
なぜ同盟関係は壊れてしまったのか?
本書で明かされる日産の陰謀・人質司法・サディズムな裁判官…。
「地獄にいた私は決行することにした。もし作戦が成功すれば人生を取り戻すことができる」
序章
第1章 一一月一九日
第2章 冷たい地獄のような小菅
第3章 日本版モスクワ裁判
第4章 なぜ?
第5章 譲歩
第6章 アライアンスのふたつのビジョン
第7章 龍と舞い、熊と踊る
第8章 アメリカン・ドリーム
第9章 なんとしてもグローバリゼーション
第10章 どうやって世界一になるか?
第11章 人的資本
第12章 偉大な経営者たちの市場
第13章 明日
エピローグ(現在のところは)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tetsubun1000mg
12
久しぶりに見る「カルロス・ゴーン」の名前。 東京地検特捜部に逮捕されて時点で、きな臭い感じがしていたけど「ゴーン」側から見ると日本国内の報道とは相当違ったていた、というよりも正反対の結論。 当時CEOの西川さんも相当胡散臭かったがやはりそうか。 「ゴーン」氏はもはや表舞台出ることはないかもしれないが、現状の自動車業界や将来についての見識は全く衰えてないようだ。 この逮捕拘禁事件で、今後日本の企業と合弁・提携する企業は増えないだろうし、合併企業の社長・会長を引き受ける外国人はいなくなるのではないだろうか。2022/01/28
NAGISAN
2
国際間での企業のアライアンスが必要となっている。それを指揮するリーダーは、張り巡らせた硬いネットワークと適切な判断が求められる代わりに、巨額の報酬を得る権利を得る。日本以外ではそうだ。また、日本では、事件が起こったとき、突っ込んだ事実解明は避け、「金銭的旨味」に焦点をおいた捜査や報道、芝居がかった謝罪で世論を形成する傾向が強い。本書はゴーン側からみた事件である。自動車産業がテスラの出現等でスマホ化が危惧される中、経営を巡る熾烈な競争や政府の思惑(プーチンも登場)などが入り乱れての闘いがあるのは事実だろう。2022/03/15
☆ツイテル☆
2
フライヤー2022/03/07
shun86gt
0
カルロス・ゴーン視点での一連の事件を書いた本。横領の事実はそこまで書かれておらず内容は擁護が多いのであまり鵜呑みにするのは注意。 ただ日産の経営において日本とフランス政府の微妙なバランスの中にあったことは真実だと思う。 どちらの出身でなかったカルロス・ゴーンだからこそ、上手くいった部分もあり、最後は見放された部分もあるのだろう。 日本企業はあまり海外資本や経営層を入れてこなかった。それこそがリスクになっていたのだろう。 ゴーンが去った日産が元通りの伝統的なJTCに戻るのかどうか、これからも追っていきたい。2023/12/21
きっしー
0
倒産寸前の日産を救い、日本社会では個人崇拝化されたカルロスゴーン。名門大学のケーススタディの題材にも多々取り上げられた。 一方、内部告発による糾弾、逮捕、国外逃亡までを描きながら、日本企業の旧態依然の組織、運営体制、更には司法制度への問題点を取り上げている。真実を知る由はないが、日本企業の経営者は読むべき著書と思う。2023/02/13