出版社内容情報
将軍家治の御不例が噂されるなか、田沼の用人は不逞の輩を集めて……。一方、苦難の末に奈緒は最上紅を商う紅屋の店開きを迎える。
内容説明
老中田沼意次が頼みとする将軍家治が病に倒れた。権勢に陰りを見せる田沼を葬ろうと、御三家らが動き出す。田沼と闘い続けた磐音の去就が注目されるなか、当の磐音は静観を決め込むが…。そんな折、奈緒の「最上紅前田屋」が浅草寺門前に開店した。繁盛する様子に、関前藩江戸留守居役・中居半蔵が思わぬ計画をもちかける。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。著書多数。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
92
主人公の元いいなずけが江戸の町で紅を売り出します。この紅がまた特殊なものであるということで人気を呼びます。あさのあつこさんのシリーズを思い出しました。また将軍の病により田沼の力にも陰りが見えてきて御三家が動き始めます。今回も主人公の剣の力を要することはあまり出てきません。あと3冊になってきていよいよ大団円になるのでしょう。2021/02/22
とし
74
決定版・居眠り磐音「白鶴ノ紅」48巻。元磐音の許嫁奈緒さん、沢山の苦労をしましたが、やっと無事に江戸に入り「最上紅前田屋」を店を開きし多くの人に受け入れられ良かったですね。2021/07/29
優希
45
比較的平穏な印象を受けました。奈緒が沢山苦労したんだろうなと思わされました。でもやっと念願のお店が開店できて良かったですね。2023/03/24
yamatoshiuruhashi
38
前のエピソードから2年過ぎた始まる本巻。これまで職人の技を身につけるために苦労と辛抱が必要なことを登場人物たちの成長とともに描いていたが、奈緒は特別扱い。紅花の商い、栽培に関わっていても10日で特別な技能は身に付かんだろうな、と思いつつも、それくらいの特別扱いはしても良いはず。これまでの巻と違ってチャンバラシーンはあまりない。2021/02/14
fuku3
13
2022.2.15読了。シリーズ第48弾。前巻からはや二年(天明六年1786)松平辰平、お杏夫婦は福岡藩へ重富利次郎、霧子夫婦は豊後関前藩に奈緒一家も無事に江戸に到着した!田丸輝信は今後の道に悩んでいた!奈緒が浅草寺門前に"最上紅前田屋"を開店し白鶴紅を発売し江戸中の評判になる!十代将軍家治が死んだ!意次は改革の失敗で老中を罷免され石高を減らされ蟄居の命が!側近達は掌を返した様に意次の基を離れた!磐音は中居半蔵と鎌倉東慶寺にお代の方を迎えに行った!窮地に立たされた田沼意次はどう出るのか!最終決戦はいかに!2022/02/15