内容説明
天の岩屋にこもってしまった日の神アマテラスを太鼓や踊りで外に引き出す、八つの頭をもった大蛇ヤマタノヲロチを退治するスサノヲ、皮をはがれたイナバのシロウサギ……。これらは今に残る日本最古の歴史書『古事記』に出てくるお話です。『古事記』は日本がどのように誕生したかを伝える歴史書ですが、天地の始まりや神がみの誕生だけでなく、神がみの愛憎や葛藤が描かれている壮大な神話です。神がみも人と同じように怒ったり、泣いたり、愛し合ったりします。本書は、そうした神がみの物語を、迫力のある幻想的な絵とわかりやすい言葉で紹介しています。また、文章は神がみのことをよく知るおじいさんが、子どもたちに語り聞かせるという表現になっています。小学校高学年以上向きですが、絵がたくさんあるので、幼い子どもたちには絵本のように大人が読み聞かせることもできます。耳で聞き、絵を見ながら、遠い昔の神がみのことが想像できる一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pino
116
絵本で「古事記」です!お爺さんの語り口調で書かれた文章は、親しみやすく、迫力満点のイラストは、臨場感あふれ、ドラマチックな神話にピッタリでした。また、図解というだけあって、子供が目で見ても楽しめる工夫がされています。「天の岩屋」「イナバの白うさぎ」「ヤマタノオロチ」「海彦・山彦」の話も載っています。・・高校の倫社の授業で「混沌」という言葉が出てきた時、真っ先に浮かんだのは、ゆらゆらした高天の原です。小学生の頃、苦戦しながら読んだ子供向け「古事記」の一場面が、ひとっ飛びに、よみがえりました。読書ってすごい!2012/12/04
joyjoy
6
ヤマタノオロチなど出雲神話にはわりと親しんできたのだが、娘に「古事記って?」と聞かれると、言葉に詰まる。で、図書館でやさしそうな古事記の本を借りて読んでみた。因幡の白兎に、海幸彦山幸彦、あれもこれも古事記に書かれていたのだな。しかし国引きの話は古事記ではなかったようだ。ふるさとの神話、子どもの頃に読んだ本をまた読んでみたくなった。2022/08/06
小野靖貴
2
大学の教養科目のために読了。神話時代についての概説。著者は古事記研究の第一人者であり、三浦しをんさんの父である三浦佑之さん。文章だけではイメージしづらい神話世界をイラストと平易な説明で表現している。特にスサノヲノミコトやオホクニヌシのイラストや活躍ぶりが良い。難しい表現は極力排されているので、古事記入門編としてはかなりオススメできます。2014/08/05
takao
1
ふむ2021/01/06
楓糖
1
時々古事記の知識があったらなぁと思うことがあるが、なかなか触手が伸びない。名前が複雑で覚えるのがたいへん、話と話の繋がりもわかりにくそうだからだ。その点はかなり整理されている。しかしこのシリーズ、たった2冊しか出ていない。途中で頓挫したのか?もう1冊が十五少年漂流記とは、一体どんな品揃えにするつもりだったんだろう。2012/12/22