内容説明
希望と再生の物語、映画「前科者」小説版!
罪を犯した者、非行歴のある者の更生に寄り添う国家公務員、保護司。阿川佳代は保護司になり早3年。仕事にやりがいを感じ、道を外れてしまった「前科者」のために奔走していた。担当する前科者の中の一人・工藤誠は、真面目な仕事ぶりを雇い主から評価され順調に更生していた。このままいけば自立の日も近いと心を躍らせる佳代だったが、最後の面会日を前に、誠は忽然と姿を消してしまう。その頃、謎の連続殺人事件が発生し──。
阿川佳代をあの有村架純が、工藤誠を森田剛が演じる話題の映画「前科者」が2022年1月全国公開。消えない罪を背負った者は、過去を乗り越えることができるのか。感動のオリジナルノベライズ!
(底本 2021年12月発行作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
161
ここに至るまでに「何故?」と言う言葉が頭から離れない。それはもう永遠の「どうしたら?」なのだ。それを無理やり隅に置いて・・好きな人物はみどり。「まともって何だよって思ったね」みどりの言葉が響く。支えてやるから・・寄りかかってこい・・支援の仕方か?受け止め方か?ただ『寄り添う』事の尊さと難しさは私自身、痛感することでもある。本作は保護司・阿川佳代の成長物語であり、前科者・工藤やみどり達の苦悩でもある。ちょっと綺麗にまとまりすぎてる気がして、逆に自分の闇を思い知ったような感じで素直になれないまま読了した。2022/04/24
しいたけ
113
去年の後半、うちのホームの子が被害に遭った。保護され親と離れ懸命に生きる子に絶望を与えた犯人が憎くて、噛み締め過ぎて両耳下にしこりが出来た。後に捕まった犯人は前科者だった。そして同じく福祉施設で育った経歴を持っていた。それは罪を背負った子をみる仕事を長くしてきた私を打ち砕いた。福祉の敗北かと思った。社会で救えなかったかつての子ども。救いたかったのにこんな目に遭わせてしまった子ども。何故人は罪を犯すのか。何故理不尽は廻るのか。何故神様は踏み躙られる人を作るのか。泣きながら読んだ。何度も本に問いかけた。何故?2022/01/08
rosetta
25
★★✮☆☆ページ数が少ないせいか内容が薄っぺらい。東野圭吾が書いたら十倍くらい面白くなりそうではある。原作付きの漫画を映画化したのをノベライズって無駄な手間をかけているような。p82「土手を包み込むように伸びた橋」って描写が何を言っているのか想像できないんだが。2022/03/19
こばゆみ
11
映画のノベライズだけあって、映像が目に浮かびやすくて読みやすかった。罪を犯した人を見守る保護司のお話。んーこんな聖人のような保護司さんはいるのだろうかと、字面ではちょっと良い人過ぎる印象。。。映画になるとまた印象変わるんだろうな。2022/01/20
shun
8
2022年43冊目。自宅療養中に読了。殺人を犯してしまった前科者とその保護司の話。映画のノベライズだけど、それなりに読み応えがあり、一気読みしてしまいました。保護司の言葉遣いが急に乱暴になるシーンの必要性はあまり感じなかったけど、良い結末で良かったです。みどりさん、最高です。2022/08/24