内容説明
必殺「狩りモード」発動!
松山きっての繁華街“北京町”で、デリヘル嬢が絞殺された。愛媛県警本部と松山東署は特別捜査本部を設置。 ウルフの異名を持つ刑事・壬生千代人も応援に駆り出された。捜査線上に浮かんだのは風俗店経営者だった。被害女性と愛人関係にあったらしいが、腑に落ちない。周辺捜査を進めるなか、スイッチを切り替えた。狩りモード――それはスポーツでいうゾーンに近い。五感が研ぎ澄まされ、事件の断片が繋がる。そして見えてきた真犯人とは……(表題作「夏至のウルフ」)。
バツイチ、家なし、39歳の壬生は、ピンク映画館で寝泊まりする絶滅種の邪道刑事である。そんなウルフを尻にしくのが警部補・吾味梨香子だ。職場では些細なことでセクハラを騒ぎ立てるが、いざとなれば、なぎなた名手の腕前を見せる。曲者揃いで「道後動物園」と呼ばれる松山東署で繰り広げられる全5編の事件簿。松山出身にして、「このミス」優秀賞作家発の超ローカル警察小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
69
当初こそ馴染みのない方言に読みづらさを感じたが、読み終わるころにはもっと聞いていたい気分になるから不思議だ。方言によって喜怒哀楽に味が出て、事件に対する感情の協調効果があるぶん警察小説には相性抜群なのかもしれない。刑事・壬生千代人、通称ウルフ。壬生の狼とはこのことか!狩りモードを発動して事件の真犯人に喰らいつく。5篇収録の連作短編集。クセのある同僚達とのやり取りは、達者な会話で飛び交う弾むような受け答えに感心する。先手をとる事件捜査で犯人確保。犯罪者を逃さないという本来の警察小説の醍醐味も押えている一冊。2022/11/09
夜長月🌙新潮部
60
愛媛県松山市出身者、特に今は故郷を離れている人にとってとても懐かしく思える作品です。松山東署の刑事が難事件を解決しますが登場人物みんながバリバリの伊予弁。「ほやないと困るけん。」「やかんしい。はよういねや。」たまりません。そして出て来る地名がローカル過ぎてうれしくなります。今川焼きや大判焼きをひぎりやきと呼ぶのも愛媛ならでは。とても楽しめました。2022/03/12
竹本明
58
地元「愛媛」が舞台とあって「愛着」を感じながら読み進めた。地元の方言も存分に使われ、とてもなつかしく感じた。「ほやないと」「どがいな」「つばえる」など、どこかで聞いたことがあるなつかし言葉ばかり・・・、物語も短編集ではあったが、スムーズな展開・・・どれも楽しめた。物語の中で示される場所が、頭に浮かぶため、なお楽しめた。違う作品も読んでみようと思うが、まずは、長編を読んでみたい。2024/04/30
綾@新潮部
38
愛媛県松山市が舞台。めちゃくちゃローカルだし方言がすごい。これだけ方言を使われると、登場人物の年齢が30代後半だとは思えなくなってしまう。「どがいな」とか30代の人言う?……人によるか。ウルフという異名を持つ刑事・壬生の人物像は面白かった。最近、刑事小説を読んでいなかったのもあるからか、連作短編5編どれも楽しめた。と言いますか、やっぱり方言が気になっちゃって、そっちばっかり楽しんでたかも。「つばえる」とか懐かしいわー。これ長編が出たら間違いなく買うと思う。2022/02/27
rosetta
26
★★★☆☆五つの短編集。愛媛県松山東署の壬生千代人は住所を持たずピンク映画館で寝泊まりする。事件を追っていてゾーン、狩りモードに入るといきなりヒントもなしに答えに到達する。人呼んで道後動物園のウルフ。短編だから仕方ないのかも知れないが推理に道筋がなく登場人物が少ないから犯人も簡単に予想でき、犯人もすぐに犯行を認めるので面白みが足りない。紹介文には超ローカル警察小説とあるが、愛媛県を舞台にした小説なら古野まほろの愛予県警シリーズがあるじゃないか?2022/03/11
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