入門・行動科学と公共政策 - ナッジからはじまる自由論と幸福論

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入門・行動科学と公共政策 - ナッジからはじまる自由論と幸福論

  • ISBN:9784326550869

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内容説明

ポスト・コロナ時代、世界中で使われる「ナッジ」。人はどうすれば無意識の行動バイアスから逃れて幸せな選択ができるのか? パンデミック、環境問題、貧困対策……、多様化する政策に行動科学の知見を生かすには? オバマ政権で実践を積み重ねたサンスティーン教授による最新報告と思想的探求! ナッジから始まる自由論と幸福論!

目次

第1章 イントロダクション

第2章 行動科学革命
 ナッジと、その先のナッジ
 人間と経済人

第3章 自分で選べば幸せになれるのか?
 適応の予測ミス
 過去から学ぶときのバイアス
 現在の感情状態
 文脈の力

第4章 政 府
 FEAST
 行動インサイト制度化のアプローチ
 初期設定ルール
 情報開示
 顕著性
 社会規範・安全・健康

第5章 誤 り
 ときどきの厚生

第6章 判 断
 手段パターナリズム
 意見の相違

第7章 理論と実践
 あらゆるところに間接的判断が
 直接的判断の定義

第8章 厚 生
 人々が気にかけること

第9章 自 由
 透明性と操作
 簡単に逆行できる
 押しすぎ

第10章 進むべき道

謝辞

訳者あとがき――キャス・サンスティーン「社会厚生主義」構想
文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kei-zu

16
「ナッジ」とは、「人々の選択の自由を完全に保ちつつ、その行動に影響を与えるための民間や公共機関による介入」である(16頁)。 選択の自由を留保する点で対象者の自由意思を尊重することから、強制に対して抵抗感も少ないという。私自身も行政手法の講師として「認証マークの付与」等を紹介することがある。 翻って、対象者に警戒感を抱かせることなく特定の方向に誘導することの危険性に、行為者は留意すべきであろう。 本書では、適切な情報公開の有効性について重ねて指摘しており、それは十分に考慮されなければいけない。2021/08/16

chiro

6
行動科学、ここではナッジをいかに公共政策に反映させていくか?について様々な側面から説いている。卑近の例で言えばコロナ対策としてのワクチン接種。強制的に接種を進めることは人権上難しいが広域の免疫が確保されなけレバワクチンの効果自体が限定的なものとならざるを得ない以上、それを促すことは公共政策の大きな役割となる。こうした状況下ではナッジが望ましい。オプトイン・オプトアウトが最も意識されない中で望ましい行動を促すものと思うが、この運用も恣意的であるが故に政治への信頼が大きな鍵となる。2021/09/21

Satoshi Hara

4
すごく面白かった。行動科学が医学教育に組み入れられた理由が良くわかった。作業仮説を引用する。 「十分に情報を得ており、かつ、さまざまな行動バイアスから十分に逃れられている限り、私たちは自分自身の幸福度を最もよく判断できる者であるとみなされるべきである。」 補助的な問い 1,十分な情報を得た選択者は何を選ぶのか? 2,能動的な選択者は何を選ぶのか? 3,人々は現在バイアスや非現実的なまでの楽観主義から解放されている状況で、何を選択するか? 4,視野が広く注意力不足に悩まされないとき、人々は何を選ぶのか?2022/02/26

Jey.P.

2
前半は公共政策におけるナッジ・行動科学の例、後半はナッジに関する哲学的・道徳的な議論。「監視資本主義」を読んでいただけに後半の議論は関心があった。手段をナッジするのはいいが、目的をナッジするのはダメ、とするとどのレイヤーを手段と考えるかで結論が変わってくる…的な話はなるほどと思った。厚生の定義として快楽・選好・客観的な善があるが、どれにも難点がある。いずれにしても透明性が大事。しかし透明性を確保してなお無意識に影響するのがナッジの強力さだとも思うのだが…2021/09/03

TM

1
行動経済学や認知心理学,社会心理学をベースにした「ナッジ」を公共政策に活用することについて,その批判に対する応答を含めて解説した入門書。わかりやすいので,とりあえずナッジが具体的にどんな風に用いられているのかを知りたい人は読んでみて良いと思う。2022/09/19

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