ちくまプリマー新書<br> はじめての考古学

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ちくまプリマー新書
はじめての考古学

  • 著者名:松木武彦【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2021/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480684134

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内容説明

ヒトは縄文土器の文様にどんな思いを込めたのか? 人類はなぜ戦争をはじめてしまったのか? 古代、男女の関係はどのようなものだったのか? 考古学は新たな知を取り入れ、俄然面白くなっている。

目次

はじめに
第一章 考古学をはじめよう
考古学とは何か
人間とは何か
考古学の対象はいつから?
考古学の対象はいつまで?
物を対象とする意味
モノに語らせる技術
はじめの一歩
埴輪の年代
三時期区分法の始まり
型式学の誕生──モノとモノの新古
新古を確定する方法
考古学の両輪
辺境発の考古学
年代を数値で知る
年代が記されたモノ
作られた年代がわかるモノ
年輪で年代を決める
建築年代がわかった建物
化学でモノの年代を決める
絶対年代の充実
理系が変えた日本考古学
三角縁神獣鏡の製作と配布
モノが語る「大和王権」の構造
人びとと暮らしの分布論
民族の考古学
考古学とナショナリズム
コッシナ学説のその後
コッシナをどう評価するか?
第二章 人類はなぜ拡がっていったのか──ヒトの進化と旧石器時代
ヒトの出現
道具と脳の共進化
世界を拡げる道具
言葉としての道具
計画する思考
社会を作る道具
生き残った理由
最古の日本列島人
氷期を生き抜く
石器の移り変わり
縄文時代への胎動
第三章 縄文土器が派手な理由──認知考古学で解く縄文時代
ヤリから弓矢へ
土器の出現
遊動から定住へ
旧石器時代から縄文時代へ
縄文時代はいつからか
最初の繁栄と滅亡
縄文の暮らし
四季のめぐみ
集落と社会
認知考古学とは何か
縄文土器の認知考古学
造形の秘密
社会を作る土器
命の世界観
強まる祈り、変わる社会
第四章 ヒト特有の戦うわけ──弥生時代と戦争の考古学
農耕の始まり
縄文から弥生へ、心の変化
弥生時代の幕あけ
弥生時代と戦争
戦うチンパンジー
オスの戦い
戦争とは何か?
考古学からみた戦争の始まり
戦争発生のメカニズム
日本列島の戦争の始まり
戦争と弥生時代社会
王の登場
東方地域の弥生時代社会
王はいなかった近畿・瀬戸内・東海
秘境だった関東
縄文がのこる東北
列島の北と南
激動の紀元後へ
新勢力の台頭
寒冷化と交易が生み出す権力
倭国乱れる
乱後の倭国
前方後円墳の成立
卑弥呼のいたところ
都市が結ぶ新たな社会
第五章 古墳は他の墓とどこが違うのか──比較考古学でみる古墳時代
比較考古学とは何か
世界のなかの古墳
古墳が来た道
古墳の「きょうだい」たち
巨大さと後進性
王を神格化する舞台
古墳を生み出す背景
大和王権と前方後円墳体制
大王墓とその相似墳
前方後円墳を築かない王たち
王の亡骸を飾る品々
ネットワークとしての大和王権
男女が支えた大和王権
大王墓の移動
男性の優位化と武装の革新
倭の五王の政権課題
人びとと古墳
墳丘の縮小と崩れ
新しい思想の古墳
前方後円墳の消滅
飛鳥時代の古墳
飛鳥の考古学
寺院と瓦の考古学
第六章 過去を知ること、いまを知ること──考古学と現代
現代と過去
社会が変わるしくみ
国家の起源を探る
国家とは何か
国家形成の研究の拡がり
日本考古学の国家形成論
古墳時代の国家の指標
国家と私たち
社会に向き合う考古学
教育と広報
多様な過去との接し方
遺跡破壊の歴史
破壊と保存のせめぎ合い
遺跡を守る制度
考古学者になるには
おわりに
図版出典の報告書一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

114
私は考古学の素養が全くない。そんな人間に、考古学の基本、歴史、面白さを親切に教えてくれる。文章から、著者がこの学問が好きだということがひしひしと伝わってきて、嬉しくなる。モノを発掘する考古学だが、目的は「人」だと言う。人に対する深い興味から、認知考古学、比較考古学、ジェンダー考古学など、学問の領域が広がってゆくのも面白い。気候の変化が社会に与えた影響の大きさにも驚く(温暖化により縄文時代が、寒冷化により弥生時代が到来。その必然性にも納得)。読みやすくて、勉強になって、幸せな気持ちになって…これはいい本だ。2021/12/10

tamami

57
本書は、著者が大学の学部生を対象に行ったオンラインでの「日本考古学概説」の配信資料を基にした由。一年だけのピンチヒッターで考古学の基礎を伝えようという著者の意気込みが全編に漲っている、そんな感じを受けた。著者の本はこれまでにも何冊か読み、説明が非常にクリアで、分かりやすいと言う印象を受けてきた。本書もその例に漏れず、遺跡や遺物についての学界での最新の理論や著者自身の見解が盛り込まれ、考古学を基にした日本の歴史の物語が納得できる形で示されていると思う。著者は、モノの分析をとおしてヒトの心の現象と進化を解明、2021/12/06

コーデ21

30
素晴らしい!の一言✨ これまで読んだ考古関連の本では、ともすれば私見のゴリ押し的なものも見受けられましたが、本書は理論整然・緻密に積み上げた最新知見満載で旧石器時代から国家形成までが丁寧に概説されてます。大学の「日本考古学概説」の教材がもとになっているためか、語り掛けてくるような文章が実にわかりやすくて楽しく読了できました。認知考古学、比較考古学、ジェンダー考古学など耳新しくて新鮮、かつ今後の研究の広がりにトキメキました^^ 考古学入門の書として繰り返し読みたい本です。2022/11/25

てん06

17
コロナのためオンライン講義をすることになった著者が、講義用にまとめた資料を書籍化。大学の「日本考古学概説」の教材がもとになっている。初学者のために広く浅く考古学という学問を俯瞰でき、とても分かりやすい。この本を読んで考古学とは何か、対象とする時代、研究の対象といったところから自分が理解していなかったことが分かった。そこから認知考古学や比較考古学の内容にも言及している。NHKの考古学関連の番組によく出演されている著者の、意外な経歴も。傍線を引き、付箋を貼って読んだ。古墳は面白い。2022/02/11

どら猫さとっち

15
僕のSNSで知り合った方が、考古学に携わっていることあって、興味が湧いて数々の本を読んできた。本書は考古学に触れたい方には、読んで欲しい一冊。実は著者のトークショーを聴きに行ったことがある。旧石器時代から古墳時代まで、その時代に生きた人たちの生活や社会がどのようなものだったかが、興味深い。考古学の面白みが、充分に詰まった入門書である。2021/12/18

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