小学館新書<br> バチカン大使日記(小学館新書)

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小学館新書
バチカン大使日記(小学館新書)

  • 著者名:中村芳夫【著】
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 小学館(2021/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784098254132

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内容説明

ビジネス界出身大使が見たカトリックの聖地。

「日本経済の司令塔」経団連に身を置くこと半世紀。土光敏夫ら歴代会長に仕え、生え抜きトップとして事務総長まで務めあげた筆者は突如、世界13億の信徒を束ねるカトリックの総本山に民間大使として赴くことになった。

経団連とバチカン、対極に立った筆者ならではの日常の “気づき”は、資本主義の限界から現代日本の課題まで多岐に及ぶ。地道な人脈作りに始まり、あれよという間に教皇訪日を実現、そしてコロナ禍のなか帰国するまでの1500日。

<土光さんは「過去を振り返るな」「足跡を見るな」と繰り返しおっしゃっていた。それは私にとって座右の銘ともいえる。しかし、本書では、はじめて禁を破って在任1500日間弱のバチカン大使時代を振り返ろうと思う>(まえがき)

(底本 2021年11月発行作品)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

110
経団連の副会長・事務総長まで務められた著者が、駐バチカン大使に就任。カトリックの総本山を内部から見た記録は非常にユニークで、とても興味深く読んだ。4年間の在任中「教皇の訪日」「日本からの枢機卿選出」実現のための外交的な苦労がとてもよくわかる。プライドの高い教皇庁、官僚的な前例主義の外務省、過度に政治的な日本のカトリック中央協議会などの組織の壁と闘う著者の姿がある。ご自身がカトリックの信徒である著者が心から尊敬する教皇フランシスコ。新自由主義を「この経済は人を殺します」と評した教皇の思いを重く受け止めたい。2022/04/15

梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

17
▼著者は経団連に勤務経験があるカトリック信徒。2016年から2020年まで在バチカン大使を経験した時の記録。教会関係者ゆえ教皇やバチカン政府関係者の言動の分析は的確。▼著者の夢である3つの事柄、教皇訪日、日本人枢機卿の誕生、日本バチカン国交樹立75周年事業を実現するまでの道のりが話題の中心。外交経験のない著者の誠実かつ賢明な取り組みが印象的。▼中国における司教叙階の権限の問題や、露わになった教会の諸問題についても触れている。▼2021年11月に出版された本なのでバチカンについて書かれた本としては最新刊だ。2021/12/25

guanben

3
民間出身の元大使が在任中を振り返る。現ローマ教皇の発言や訪日の顛末が中心で、大使の日常をもう少し詳しく知りたかった。一方、外務省の前例主義や日本のカトリック協会の政治団体化に注文をつけたり、聖職者による性的虐待やバチカンと中国との関係等の政治問題に触れたりと読み応えあり。ちなみに、在バチカン日本大使館はローマにあります。2022/12/26

お抹茶

2
駐バチカン外交官が書いた本を読んだのは徳安茂『なぜローマ法王は世界を動かせるのか』以来だが,この本では教皇フランシスコの平和への想いや,教皇訪日を実現するための奮闘など,大使自身からみたバチカンをより鮮明に描いている。バチカンという特殊な国ではあるが,日本の存在感を高めるという大使の務めは他国とそう変わらない様子。教皇庁高官ばかりでなく,バチカンで働くスイス衛兵や店員も含めて交流を広げ,日本への支持を高めていく様子がわかる。教皇に対する著者の敬愛の念も,職務の原動力になっていたのではないかと感じる。 2023/03/02

はたえす

2
帯の紹介文から、経団連からバチカン市国大使の経験から、資本主義を見つめ直す内容かと思ったら全然そんな事なくて流しよみしてしまったのと、日本のカトリックは政治発言しすぎとか言いながらバチカンに対しては真逆のことを言っているので「やっぱ経団連の人は左派的な主張が嫌いなのか」と穿った見方をしてしまった。2022/01/14

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