内容説明
今年度最高密度のクライムミステリー登場。
「オレを捜せ」
昭和をもっとも震撼させた犯人から元・捜査員に手紙が来た。
1957(昭和32)年。カネがなく、集団就職列車に乗れなかった少年が津軽海峡を木舟で渡って襟裳岬の断崖をよじ登った。
27年後、少年は列島史上最大級の犯罪人となり、マスコミ、警察、拉致した社長宅に挑戦状、脅迫状を送り、キツネ目のモンタージュの顔を広く報じられる。
捜査員が行き着いたその男・キツネ目は、戸籍がない、係累がない、学籍簿がない、勤務証がない、結婚歴もない。半島を妹とさまよい歩いたほかに生きた痕跡は何もなかった。
犯行に至る男の相棒は、ひたすらの孤独と、ホルモンの串打ちと、美貌の女と、老婆。
時代の底を這いずった彼らの原風景と今を、いかなるノンフィクションも届かなかった圧倒的人間観察、圧倒的リアリティ、胸を搏つ衝撃のラストで揺さぶる、今年度最高のクライムミステリー。
(底本 2021年11月発行作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ででんでん
71
大変に時間がかかったが、おもしろかった。キツネ目…と呼ばれた犯人たちの視点から描かれていて、犯行に至った経緯、動機、仲間、方法などが細かく書かれ、果てしない時間とエネルギーをかけて犯行が行われていく過程に揺さぶられた。やはり「戦争」というものに関わらざるを得ないとき、生きていたとしても人ははかりしれない傷を負うのだと改めて思った。ぼんやり者の読書なので、他の方が書いておられるような時系列の乱れ等にもはっきりとは気がつかず😅ただ、現実味のある部分と、そうでない部分がミックスされているようには感じた。2022/06/13
ma-bo
63
グリコ・森永事件を作者の視点、認識で叙述したフィクション作品。当未解決事件を題材にした小説は「罪の声」や「レディ・ジョーカー」等があるが、この作品はとにかく過去、事件前後、時効後と時間軸がコロコロ変わり、また複数の登場人物の視点からの記述も変わるから読みにくかった。キツネ目をあえて印象付けて警察の前に現れ、普段は違う雰囲気のメガネで生活する、運転役は関西の地理に強いメンバーだが、主要メンバーは関東をアジトにする等なるほどって思う設定はあったけどね。2022/01/15
チェアー
4
間違い多すぎ。時間軸が間違っていて、話自体が成立していない。誤字脱字も多く、安心して読めない。ストーリーも「レディ・ジョーカー」の劣化版の焼き直しのよう。なんでこの状態で出版されたんだろう。それが不思議。2022/01/05
トト
4
キツネ目といえば、グリコ・森永事件の容疑者。時効後、当時の警察関係者へ本人から手紙が届く。複数の登場人物の視点と時代を行き来しながら、物語は進んでいきます。誤字や編集ミスな部分もあり、題材や構成も悪くないのに、没入しにくかったかも。2022/01/03
チェアー
3
やっぱり雑な小説だと感じた。2024/02/14
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