新潮文庫<br> 8月の果て(下)(新潮文庫)

個数:1
紙書籍版価格 ¥935
  • Kinoppy
  • Reader

新潮文庫
8月の果て(下)(新潮文庫)

  • 著者名:柳美里【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 新潮社(2021/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101229324

ファイル: /

内容説明

1940年、東京オリンピックは幻と消えた。失意の日々、肌の温みを求める女たちを捨て、雨哲は故郷を去り、一方、娘たちを夢中にする美しい容貌と、兄譲りの健脚に恵まれた弟・雨根は、いつしか左翼活動に深く傾倒した……小説家柳美里が、国・言葉・肉親、すべてを奪われた無名の人々の声に耳をすまし、自身の生につらなる日本と朝鮮半島の百年の歴史を、実存の全てを注ぎ描きあげた傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

349
下巻では、結構な分量にわたって従軍慰安婦が語られる。博多の軍服工場で働いて、釜山高女に通うことを夢見ていた金英姫は騙されて武漢の慰安所に連れてこられる。彼女はまだ13歳だった。それから光復までの2年間は、まさに地獄の日々だった。光復後、彼女はかろうじて大連にたどり着き、引き上げ船で釜山に帰ることができた。船が釜山を目前にした時、彼女は海に身を投げた。彼女があの地獄の中で、たった一つ守り通せたのは自分の本名、金英姫だけだった。彼女が自ら命を捨てたのは、慰安所でではなく、解放されてからである。そして、そこに⇒2020/08/17

k&j

7
初めてちゃんと読んだ柳美里さん作品。最初に手を出すにはちょっと強すぎるものを選んでしまったかもしれない。まず長い、日本語と朝鮮語が地の文とルビとで交互に入れ替わったりする文体は決して読みやすくもない、何よりも内容が重すぎる・・。上巻はまだ朝鮮の美しい情景描写などもあって救われるのだけど、下巻は従軍慰安婦や保導連盟事件のエグい描写が続いて読むのが辛かった。ラストでそこまでの悲惨さが昇華されるかのように終わったことが一応救いだった。最後まで読んで良かった。2021/09/07

さんつきくん

5
1940年の東京オリンピックは中止に。オリンピック出場をも狙えた主人公・李雨哲は失意の淵に。年齢的に次のオリンピックには出られないが、その思いを弟の雨根に託すことに。雨根もまたオリンピックを狙える選手だった。軍靴の音が響き、終戦。韓国は植民地支配から脱するが、やがて南北がいがみ合う朝鮮戦争へと突き進む。左翼活動をしていた雨根は殺されてしまう。主人公・雨哲よりも周りの人物達の描写が印象に残る作品でした。騙されて従軍慰安婦になった密陽の少女の話しは、読んでて辛かった。そして、雨哲は日本へ渡る。そして、晩年へ。2018/03/01

kera1019

5
再読。あまりにも壮絶な物語と力強く訴えかけて来る文章に読んでいる自分がどこにいるか分からなくなるくらい引き込まれます。正直、読み易い本だと思いませんし、歴史的な事とか色々考えさせられる作品ではありますが読後、読書の満足感があるのは小説家としての柳さんの魅力だと再認識しました。 2018/01/30

kera1019

4
下巻に入って、著者のルーツから朝鮮半島の痛みと恨のルーツへと世界が広がって一気に臨場感に包まれました。小説とは思えないリアリティで胸をエグられるような痛みと血を黒く濁らすような恨がビシビシ伝わってきて、読むと言うより感じる感覚が強くて時間を忘れて没頭。静かに終わっていく最後も印象的でした。2013/11/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/565141

ご注意
リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

 

同じシリーズの商品一覧

該当件数2件 全てにチェックを入れる/全てにチェックをはずす