岩波文庫<br> タキトゥス 年代記 上 - ティベリウス帝からネロ帝へ

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岩波文庫
タキトゥス 年代記 上 - ティベリウス帝からネロ帝へ

  • 著者名:国原吉之助
  • 価格 ¥1,243(本体¥1,130)
  • 岩波書店(2021/11発売)
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  • ISBN:9784003340820

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内容説明

『年代記』はローマ帝国初代の皇帝アウグストゥスの死(紀元一四年)から筆をおこし,以下ティベリウス帝からネロ帝の死(六八年)に至る四代五十五年の治世を物語る.人間の本性に肉迫してやまぬ洞察力,類まれな描写力.――この史書をひもとく者は,あたかも一篇の秀抜な歴史小説に接するかのごとき感を深くする.

目次

凡例┴(第一部 ティベリウス)┴第一巻┴(紀元一四年)┴一 アウグストゥスからティベリウスへ(1節─15節)┴二 属州パンノニアの軍隊の暴動(16節─30節)┴三 属州ゲルマニアの軍隊の暴動(31節─54節)┴(紀元一五年)┴四 ゲルマニア戦役(55節─71節)┴五 首都の出来事(72節─81節)┴第二巻┴(紀元一六年)┴一 東方の不穏な状勢(1節─4節)┴二 ゲルマニア戦役(つづき)(5節─26節)┴三 元老院における論争(27節─40節)┴(紀元一七年)┴四 諸属州における事件(41節─52節)┴(紀元一八─一九年)┴五 ゲルマニクスの東方旅行(53節─61節)┴六 保護国王らの運命(62節─68節)┴七 ゲルマニクスの夭折(69節─88節)┴第三巻┴(紀元二〇年)┴一 ピソの訴訟(1節─19節)┴(紀元二〇─二一年)┴二 ティベリウスと元老院(19節─38節)┴三 属州の不穏な動き(38節─46節)┴(紀元二一─二二年)┴四 元老院の屈従(47節─76節)┴第四巻┴(紀元二三年)┴一 ドゥルススの死(1節─11節)┴(紀元二三─二五年)┴二 セイヤヌスの勢力(12節─45節)┴(紀元二六年)┴三 トラキア属州の謀叛(46節─51節)┴(紀元二六─二八年)┴四 ティベリウスの隠退(52節─75節)┴第五巻┴(紀元二九─三一年)┴一 セイヤヌスの没落(1節─5節)┴……原典破損……┴〔訳者附記〕┴第六巻┴(紀元三一─三二年)┴二 セイヤヌス派の処刑(五巻6節─六巻14節)┴(紀元三三─三四年)┴三 恐怖時代(15節─30節)┴(紀元三五─三六年)┴四 東方の動乱(31節─44節)┴(紀元三七年)┴五 ティベリウスの最期(45節─51節)┴第七巻─第十巻┴……原典欠損……┴〔訳者附記〕┴訳 注┴附 録┴(一) ローマ帝政初期の昇官順序┴(二) ローマ帝政初期の軍隊┴(三) ローマ帝政初期の経済状況┴(四) カエサル家系図┴(五) 一世紀前半のローマ世界

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

読書実践家

9
タキトゥスの卓越した描写力。ローマ皇帝ティベリウスからネロまで。2016/03/30

壱萬参仟縁

8
『ゲルマニア』は暗記したのだが、本書を図書館で見つけたので借りた。兵隊の中にも、疲れと苦労に対して休息を求める老兵がいたようだ(49頁)。兵士も人間だ。「昔、質素が幅をきかしていた理由は(略)自己を制御していたから(略)外国を征服して他国民のものを、市民戦争に勝って自分らのものを、浪費することを学び取った」(217頁)。質素と浪費の時代の波もあるが、結局、人間が制御できないとベクトルは転換してしまう。「国家の不幸は、往々にして、個人が点をかせぐ機会に利用される」(318頁)。個人は国家の犠牲になることも。2013/05/07

氷菓子

5
副題にティベリウス帝からネロ帝へとあるが、原典欠損によりこの上巻でタキトゥス自筆によるのはティベリウスのみ。ティベリウスはアウグストゥスの下で働いてた頃は生活も世間の評判も完璧だったが、彼自身の本能にのみ従うようになってからは悪行と破廉恥の中にどっぷりと身を沈めた、とかなり辛辣な評価。重用していた側近と息子の妻の共謀で息子が殺されたのだから、他人を信用できなくなるのも致し方ないと個人的には思う。むしろ不幸な形で多くの親族を亡くした中で、よく帝国を統治したと賞賛したいくらい。2023/06/14

TMHR ODR

5
★×3。ティベリウスからネロまでの歴史、前半。ただし欠落が多くほぼ一冊ティベリウスについて。なんでタキトゥスはこんなにティベリウスを嫌いながらも書いてるのか?と思いながら読むと、後半の深謀遠慮による家族や政敵への追い込みの数々で納得。コレは塩野七生本では強調されてなかった部分。セイヤヌスの娘の殺され方が残酷。2016/09/27

ハルバル

5
優秀な軍人としてゲルマニア平定を果たしたが、即位後は民衆人気の無さとセイヤヌスの重用で親族を死に至らしめた恐怖政治の為とかく評判の悪いティベリウス時代を記す。彼は良く言えば深謀遠慮の人、悪く言えば陰険という印象。晩年は最も信頼した側近セイヤヌスを断罪したのをきっかけに自制が効かなくなっている感じだ。ただ皇帝としての評価は別としても人間的には興味深い人物だと思う。タキトゥスは結果から見て何事にも悪意の解釈をしがちなのが注意点だが、元老院腐敗を示す数々の告発と陰謀は陰鬱な時代の雰囲気をよく伝えている。2015/09/08

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