内容説明
破格の奇想譚の完結編。その成立にはいろいろ問題はあるが、第四の書で提出されたパニュルジュの結婚問題は、たどり着いた徳利明神の神託を受けることによって、本人が納得したかどうかには関係なく、一応の決着にたどりつく。航海の旅はつづき、「鐘鳴島」では奇怪な鳥たちの生態に驚くが、これは旧教会制度に対する強烈な諷刺であるし、掻攫猫(グリップミノー)の支配する島の話は当時のフランスの法廷や裁判に関する、これまたはなはだしい愚弄を表現している。かと思うと、優雅な宴席や踊りの描写、霊妙な寺院の描写もあって、読者に多少の困惑をもたらさないでもない一巻。
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