角川新書<br> 日独伊三国同盟 「根拠なき確信」と「無責任」の果てに

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角川新書
日独伊三国同盟 「根拠なき確信」と「無責任」の果てに

  • 著者名:大木毅【著者】
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  • KADOKAWA(2021/11発売)
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  • ISBN:9784040823836

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内容説明

亡国の同盟は、不信と誤認の産物だった。
『独ソ戦』著者が対独関係から描く、大日本帝国衰亡の軌跡。

優秀な人びとを抱えながらも、なぜ日本は亡国の戦争に突入したのか?
亡国への分水嶺となった三国同盟は、そもそも不信と誤認の産物でしかなかった。

〇外国を崇拝し、その国の人間になってしまったかのような言動をなすもの。
〇国家が崩壊することなどないとたかをくくり、おのが権力の維持だけをはかるもの。
〇自らの構想の雄大さを誇るばかりで、足下を見ず、他者をまきこんで破滅していくもの。

これら、我々に似た人間が敗北必至の戦争につながる同盟締結を加速させたのだ。
利害得失を充分に計算することなく独と結び、米英と争うに至るまでを、対独関係を軸に分析すると、
日本の指導者の根底に「根拠なき確信」があり、それゆえに無責任な決定が導かれた様が浮き彫りとなる!!

「根拠のない確信」が災禍を拡大した。
■「駐独ドイツ大使」と揶揄された軍人外交官大島浩
■親独に多くが傾いていた海軍中堅層
■松岡洋右が国際連盟脱退を決めたのは「引っ込みがつかなくなったから」
■三国軍事同盟の条約文は、仮想敵の言葉である英文で作られた
■戦争を不可避にした南部仏印進駐は楽観から軽率に行われた

※本書は2010年10月にPHP研究所より刊行された『亡国の本質 日本はなぜ敗戦必至の戦争に突入したのか?』を改題の上、この間の研究の進展を反映し、全面的に加筆・修正したものです。

【目次】

序に代えて――わたしに似たひとびと
第一章 ヒトラーに「愛された」日本大使
第二章 同盟のため奮闘せるも……
第三章 バスに乗ってしまった男たち
第四章 独ソに翻弄される松岡外交
第五章 亡国の戦争へ
あとがき
主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

旅するランナー

225
「独ソ戦」の大木氏が、日本の太平洋戦争突入への過程を検証。大島浩駐独大使による独国中毒、板垣征四郎陸軍大将の独善二枚舌、「虎穴に入らずんば虎児をを得ず」大好き男松岡洋右外相の独りよがりが関与する。日本側はソ連、ヒトラー側は英米への牽制という思惑が絡んで、同盟という形に結び付く。変化していく世界情勢と引き返せなくなった日本の姿が緊迫感を持って記述されます。切っ掛けは、ドイツによるチェコスロバキアのズデーデン地方への侵攻とのこと。現在のロシアによるウクライナへの圧力が状況的に似ていて、とても気持ちが悪いです。2022/02/19

パトラッシュ

107
『沈黙の艦隊』で米大統領は「権力の座にある者は確信犯であることからまぬがれえないのだ」と語る。権力とそれに伴う責任を背負った男の覚悟を示しているが、三国同盟成立に関わった大島浩、松岡洋右、リッベントロップらは無責任に権力ばかり求める根拠なき確信犯だった。彼らが自分の考えが正しいと信じて自分勝手な外交を展開した果てに亡国を招いた理由は、まさに国家は永遠だと信じる愛国者であったがためだ。盲目的な愛国主義は却って国を害する行為であり、国家などいつ潰れてもおかしくないとの冷徹さが為政者には必要だと思い知らされる。2022/01/16

skunk_c

81
2010年の著作を改訂したもので、旧著のタイトル『亡国の本質 日本はなぜ敗戦必至の戦争に突入したのか』について、本書の副題にある「根拠なき確信」と「無責任」な人たちの動きを縦軸において、これに外交関係を絡めて記述している。したがって三国同盟そのものよりその成立過程を描いている印象。特に駐独大使を務めていた大島浩、そして対英米戦直前に派手な外交を繰り広げたあげく切られた松岡洋右について、豊富なエピソードを交えて批判的に論じている。この著者の本は読みやすいが、元々フィクション作家だったのね。どうりで。2021/12/19

壱萬参仟縁

67
先週火曜日に、日本史Bで扱っていた時に、生徒に回覧しました。なぜ、優秀なひとびとを抱えながら亡国の戦争に突入したのか?(3頁)この問題意識は、昨今の法務相(あの東大法学部卒)が失言して更迭されたことに通じる気がする。バスに乗り遅れるな、と乗ってしまった人たちがいた(第三章)。松岡洋右は、英語力と物怖じしない交渉力を買われた(156頁)。松岡洋右以下、日本全権段は国際連盟議場を去り、脱退(158頁)。ソ連を含めた四国同盟は成らず(198頁)。後の、日ソ中立条約とその後の展開を思わざるをえない。2022/11/12

ピオリーヌ

24
大日本帝国を衰亡へと追い込んだ太平洋戦争突入までの流れが、分かりやすく描かれる。特に太平洋戦争の知識は薄いだけに大変理解が深まった。筆者は評す。近衛文麿はおのれの政治理念に潔白といえば聞こえはいいけれど、現実が理想と合わなくなると、投げ出してしまうのである。「可能性の術」である政治に携わるには不向きの性格であろう。と。昭和十三年から昭和十四年、日独伊条約に向けて揺れる中、近衛内閣は昭和十四年一月四日、総辞職となるのである。時は双葉山69連勝の真っ只中。民主主義アメリカの宿敵であるナチズムのドイツと2024/04/10

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