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内容説明
日本最後の講談定席として惜しまれつつ平成二年に休場した東京・上野の本牧亭。その席亭を務めた著者が四十二年間の軌跡を振り返る。家族ぐるみで交流した芸人達の素顔、伝統話芸を守らんと試行錯誤を重ねた日々。江戸っ子の爽やかな人柄がにじむ「おかみさん」奮闘記。
目 次
序 章 雪の夜の楽屋
第1章 生い立ち
第2章 娘時代の私
第3章 戦中から戦後にかけて
第4章 本牧亭再興
第5章 寄席の経営
第6章 父のこと
第7章 『巷談本牧亭』のこと
第8章 中国旅行
第9章 鉄筋ビルの寄席に
第10章 休席の 末
第11章 講談の灯は消さない
第12章 人との縁
終 章 幸せな星の下に
あとがき
文庫版あとがきにかえて 清水孝子
年 表
本書に登場する主な講釈師たち
〈対談〉本牧亭がつないだ講談の昔と今 宝井琴調×神田伯山
〈解説〉客と演者とおかみさん――本牧亭をめぐる人間模様 長井好弘
人物索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
51
残念ながら、本牧亭の名は知っていてもその場所へ行く機会はありませんでした。年齢的には可能だっただけに本当に残念です。著書は、安藤鶴夫「巷談本牧亭」とは違った本牧亭の姿を感じ取ることができます。著書の中で永六輔さんが藝を育てているのだから、商業地と同じ税金をかけてはいけない、農地と同じなのだと語っています。日本は、伝統芸能を育て、守るという意識がとても薄いと思いますが、さすが永さん、的を射る見解だと思います。なくしてはいけない。2021/11/23
YONDA
10
講談専門の寄席があったなんて知らなかった。最盛期には都内だけでも200軒以上もあったなんて…。斜陽な講談界を盛り上げようと奮闘した席亭・石井英子さんの一代記。作中の講談師は名前は知ってるが現在の二代前なので見たことはない。落語ブームは時々来るが講談ブームは最近ようやくか。それを牽引しているのは六代目伯山だと思うが…。現在の講談界を石井さんは喜んでいるような気がする。2024/07/22
Shigeo Torii
2
学生時代に1回だけ行きました。落語の会でしたが。最近は、義士もの(CDですが)をよく聞いています。自分にとっては、はるか昔の演者達なので、、。でも街の雰囲気は、なんとなくね。2022/01/09
すずみ
1
講談の歴史が語られた堅苦しい内容だと思ってたけれど、実に面白かった。石井英子さんの魅力を通して寄席文化とそれを取り巻く人々が活き活きと描かれていて、あっという間に読了2022/01/24