新潮文庫<br> 方丈の孤月―鴨長明伝―(新潮文庫)

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新潮文庫
方丈の孤月―鴨長明伝―(新潮文庫)

  • 著者名:梓澤要【著】
  • 価格 ¥781(本体¥710)
  • 新潮社(2021/10発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101211848

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内容説明

齢五十余にして粗末な庵で想う。私の一生とは何だったのか。下鴨神社の神職の家に生まれながらも、不運と挫折の連続。孤独を抱え、災禍に遭った都を悶々と歩き回る。やがて歌の才が認められ「新古今和歌集」に入撰するのだが――。晩年、独り方丈に坐し、筆を執る。「ゆく河の流れは絶えずして…」。人はどこから来てどこへ行くのか。世の無常と、生きる意味を見つめ続けた長明の不器用で懸命な生涯。(解説・細谷正充)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

104
この方の作品は昔ひとつだけ読んだことがあります。この作品では方丈記を書いた鴨長明の生涯が描かれています。方丈記については短いので幾度も読んだのですが鴨長明となると全然イメージがわきませんでした。達観したお坊さんのような人物だと思ったのですが、結構うじうじとした人間臭さのある人物だということがわかりました。徒然草の兼好法師についても知りたくなりました。2022/01/14

saga

59
方丈記は、古文でもあり、無駄をそぎ落とした文章なので、作者・鴨長明はさぞ高潔な人物だと感じていたが、本書ではとても人間臭く描かれている。神職の家に生まれたが、生来の人付き合いの悪さと逃避癖から神官としては大成せず、下鴨社の正禰宜であった父の死後に零落していく様は、彼の棲む世界を巧みに泳ぎ切れない悲哀を感じた。大原、日野の里と隠棲場所を替え、方丈の庵を終の棲家にしたわけだが、「やることがいっぱいであって、実はすこぶる忙しい」というくだりは、野田知佑氏が語る大自然・ユーコンでの生活を彷彿させ、肯ける。2022/11/07

優希

57
鴨長明の生涯の物語でした。不運と挫折を経験し、孤独を愛する長明は、歴史から想像することができませんでした。歌の才能が認められて初めて長明は自分の生きる道そ見つけたのかもしれません。晩年ひとり筆を持ち描いた『方丈記』。「ゆく川の流れは絶えずして、行き交う人もまた旅人なり」。人はどこから来てどこへ去るのかを歌った作品からも世の無常と生きる意味を見つめていたのですね。長明は自分の境遇を懸命に生きていたに違いありません。2022/09/11

まさ

29
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず――の一文は知っていても方丈記や作者・鴨長明については詳しくは知りませんでした。長明の生き方が良いかどうかはともかく、なんとも不器用な人生か。偏屈さの一方で平安時代末期の怒涛の流れの社会を達観しているかのような生き方。方丈記の一文は世に宛てたものではなく、長明自身への言葉か。2021/12/16

ミハイル・キリーロビッチ

22
「僻みっぽくて、依怙地で、自尊心ばかり強い、つくづく面倒なお方だ。」他人事とは思えぬ。2021/12/10

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