岩波少年文庫<br> 浦上の旅人たち

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岩波少年文庫
浦上の旅人たち

  • 著者名:今西祐行
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 岩波書店(2021/10発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784001141320

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内容説明

明治はじめ,長崎・浦上のキリシタンたちは,罪人として各地へ流され苦役をしいられたが,彼らはそれを「旅」とよんだ.農家の娘たみの人生と,「旅」にまぎれこみ数奇な運命にもてあそばれる浮浪児千吉の人生がからまりあっていく.歴史的事実にもとづくこの長編物語は,『肥後の石工』とならぶ,作者の代表作でもある.さし絵は太田大八氏.【解説 関口安義】

目次

1 吹雪┴2 小さな罪人┴3 フランス寺┴4 きつねつき┴5 おどりこ草┴6 人相書┴7 港の少年┴8 島の十字架┴9 薩摩びわ┴10 夜明け┴11 帰郷┴12 十字の園┴13 父と母と┴14 小島の春┴あとがき┴解説 関口安義┴カバー画・さしえ 太田大八

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たつや

49
「肥後の石工」が素晴らしかったので少しだけ期待して読んだら、こちらの方が好みでした。隠れキリシタンの迫害がテーマの遠藤周作の「沈黙」とは違う切り口の作品でした。取材をしたのか?想像、創作か?不明ですが役所仕事のように、キリシタンを集めては棄教すれば帰れるというお上の通達を守る役人はユダヤ人の迫害も思い出され、とても虚しく辛い史実でした。こういう事実は忘れてはいけませんね。2017/01/20

tomoko

35
明治はじめ、長崎県浦上の隠れキリシタンたちは、罪人として西日本各地の島などへ送られた。「浦上四番崩れ」と呼ばれる厳しい弾圧‥その「旅」で出会った農家の娘のたみ、キリシタンの中に紛れ込んでしまった浮浪児の千吉を中心に物語は進む。時は流れ、やっと浦上に帰った信者たちは「浦上天守堂」を建て、堂々と信仰生活を送れるようになる。だがその後の戦争、原爆投下により破壊される天守堂‥そこにいた信者1万2千人のうち8千5百人が亡くなったという。神も仏もない話だが、繰り返してはいけない歴史として知っておくべきだと思った。2020/09/06

かおりんご

26
児童書。浦上の信徒の崩れのようすが、分かりやすく描かれています。小説なので、史実とは多少異なりますが、それはそれで面白いです。最後の原爆云々はなくてもよかったかなぁ。あと、西南戦争との絡みも。2018/04/04

おはなし会 芽ぶっく 

14
明治時代の初期、日本政府によるキリシタン迫害の実話をもとにした作品。罪人として捕らえられたキリシタンたちは無理やり移住させられ…。農家の娘たみと、浮浪児の千吉を中心に物語はすすむ。12000人中8500人が亡くなったという悲しく繰り返してはいけない現実があった。2022/03/13

更夜

13
日本の児童文学で「理由理屈ない理不尽」というものはあまり扱われないと思うのですが、遠藤周作さんの『女の一生 第一部』で描かれた「浦上四番崩れ」(この語句からして怖い)と呼ばれる日本のキリシタンの抑圧。浦上の信者たちを全国各地に移動させるという、ソビエトでも粛清時代、民族をそっくりそのまま入れ替えるという事をして、人間は残酷な事になると似たような事をします。著者、今西さんは『肥後の石工』も同じですが、弱き立場の者が理不尽な目にあう、というのを真剣に伝えようとしています。目をそらすべきではないと思うのです。2016/05/07

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