内容説明
1980年代後半から絶筆となった「私の履歴書」まで。未発表原稿を含んだ、城山三郎、最後の随筆集。
目次
1 私の履歴書(尾張名古屋は城で保つ;栄町今昔 ほか)
2 政治とは(エリートたちはなぜ堕落したか;日本官僚の自殺 ほか)
3 経営とは(「粗にして野だが卑ではない」追憶の人;人生を深く生きる ほか)
4 人間とは(一通の手紙;ある日の小林秀雄 ほか)
著者等紹介
城山三郎[シロヤマサブロウ]
昭和2年、愛知県名古屋市生まれ。一橋大学卒業。昭和32年、「輸出」で文學界新人賞受賞。昭和34年、「総会屋錦城」で第四十回直木賞受賞。昭和50年、『落日燃ゆ』で毎日出版文化賞、吉川英治文学賞受賞。平成8年、“伝記文学の新しい領域を開拓した功績”により菊池寛賞を受賞。平成15年、“経済小説の分野を確立、組織と人間を描いてきた業績”により平成14年度朝日賞を受賞。平成19年3月、間質性肺炎のため逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はかり
15
久しぶりの城山三郎。昔はよく読んだものだが、今となってはどことなく懐かしい感じがするエッセー。彼の履歴書から始まり、政治とは、経営とは、人間とは、と続く。最後に娘の井上紀子のあとがき。読めて良かったと思う。2024/11/19
よし
5
筆者、晩年のエッセイ。あとがき「筆一本で生きた父。根幹にあるのは、戦争体験からくる大義のあり方。組織と個人の かかわり方。」晩年の娘との2ヶ月がたまらなく濃密であった。2020/11/03
マーク
5
29 メルカリ販売→飛ばし読み。ダブリン市民。白い犬とワルツを。2019/05/07
馨
4
戦争末期に伏龍特攻隊として訓練・戦争を経験した城山さんの海軍時代の日本のこと、当時の自己犠牲の気持ち、また現在の社会に対して、政治に対しての思いがコラム形式で書かれており大変読みやすかった。大変な時代に生きた方の意見だけに重厚感があるのにわかりやすく書かれていた為すんなりと頭に入ってくる。「政治家は命がけでやらねばならない」という考えは今の時代に通ずることであり声を大にして言いたくなるように思う。2013/02/11
tko
2
政治と金について30年以上も前のリクルート事件に城山氏が怒っている。エリートたちはなぜ堕落したか。政治家になることは財産を失うこと、全身全霊を捧げて国事に尽くすものだ。今日の裏金問題だ。哀しいかなこの国の政治は過去を学んでいない。 浜口雄幸、広田弘毅らの再来を願うばかりだ。 ダブリンは良い街だ。アイルランドにもう一度行きたい。『ダブリン市民』、『白い犬とワルツを』後で読もう。2024/02/07