内容説明
フランス共和国の標語「自由・平等・友愛」は、実は「兄弟=白人男性」たちが「兄弟ではない者=非男性、人種化された者」たちへの差別を再生産する構造を隠しもつ「神話」でしかない。特異性(差異)が差別を正当化する方法を見つけ、構造を変えることで、特異性のただなかで特異性を表明しつつ、皆が同類で条件なしに平等であるあり方を探る。
目次
序 論 同類だと想像する勇気をもつこと
第1章 平等 対 フラテルニテ
フラテルニテ─平等な共和国という物語の中心で見えていないもの
連帯に対抗するフラテルニテ
非・混在の空間─どこが恥知らずなのか?
第2章 平等 対 自由
#MeTooと#BalanceTonPorc─被害を受けた「私」が、連帯する「私たち」/「あなたたち」になるとき
私たちに自由を押しつけないで、平等があれば自由になれるから
アーティストの不平等な自由と責任─メネル・イブティセム 対 オレルサン
第3章 平等 対 平等神話
他者性のフェミニズム─近代性の陰に隠された撞着語法
「フランス流の」平等は神話にすぎない
フラテルニテから、そして市場から解放された平等のために
結 論 遊牧的空間における条件なき平等に向けて
訳者あとがき
人名索引
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- 和書
- 初稿・死者の書