内容説明
「王舎城の悲劇」は息子が父の王位を奪うという二千五百年まえの事件です。
「観無量寿経」や「華厳経」といった著名な仏教経典だけでなく、
ジャイナ教の経典にもでてきますから、
インドでは大変な事件だったということがうかがえますな。
なぜ父を殺してまで王位を奪おうとしたのか、母はそのときどうしたのか、
そして王位を奪った息子はその後どうなるのか――。
この事件にはお釈迦さんが登場してまいります。
お釈迦さんの甥で、お釈迦さんを殺して教団をのっとろうとする
悪役僧侶のダイバダッタ（提婆達多）も登場する。
人間が普遍的にかかえる欲望と苦悩がこの事件にあることから、
今日的テーマでもあります。
わたしたちがいまを生き、これからを生きるうえで、
かならずや人生の灯明になるのではないかとおもうしだいであります。
（本書「第一回講義」より）
苦しみの果てに「救われていく道」がある――。
古代インドで起こった事件「王舎城の悲劇」についての公開講座を舞台に、
老僧侶と四人の受講生がおりなす味わい深い物語。
《苦悩の本質を、お釈迦さまがときあかす》
という言葉に惹かれて集まった悩み多き受講生たちは、
仏典が伝える愛憎の物語をどのように受けとめたのか？
軽妙な問答の中から浄土真宗の根本思想が浮かび上がる出色の仏教小説！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mamaou
0
普段全く宗教的活動をしないのに、何故か死んだら戒名をつけて読経してもらって墓に入る。という事に疑問を感じ、ならば一つ学んで見ようと思っていた時に偶然出会った本だ。王舎城の悲劇すらそもそも知らなかったのだけど、小説仕立てで、わかり易い文章でとても面白く読む事が出来た。このような宗教的物語は（宗教問わず）もう少し学校でも取り上げて良いのじゃないかと思った。2021/11/05
-
- 電子書籍
- ピーター・ドラッカー - 「マネジメン…
