地域批評シリーズ<br> これでいいのか長崎県

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地域批評シリーズ
これでいいのか長崎県

  • ISBN:9784896379310

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内容説明

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長崎県とはいかなる県なのだろうか。そのイメージはかなり良い。長崎県以外の九州各県は、それぞれ特徴がありつつも、イヤなイメージが思い浮かんでしまうところも多々ある。
九州の顔ともいえる福岡は、その治安の悪さ(という先入観)から「修羅の国」なんていわれたりするし、その他の県はともかく田舎扱いである。

その点、長崎県はハイカラ、オシャレを筆頭に、海産物やら異国情緒やらに加え、長崎最大の悲劇である原爆投下も、復興を成し遂げた事実から長崎に好意的な見方をもたらすひとつの要素となっている。

このイメージの良さは、ひとえに歴史と地勢に基づいている。長崎の地は古くから海外への玄関口として機能した。
大陸、特に朝鮮半島を経由せずに直接中国へ向かう「南路」は五島列島経由だったし、ヨーロッパ諸国との本格的にな接触は、平戸や長崎を拠点として盛んになった。
特に長崎は、江戸時代を通してほぼ唯一の国際港となり、海外の先進知識の集結地となっていた。

これにより、長崎には異国情緒あふれる街並みが形成され、閉鎖性とは無縁の開放的な気質が生まれたとされている。異国の文化があふれ、開明的で自由闊達な人々、そして広い世界に繋がる紺碧の海などなど。
長崎には明るくオシャレなイメージを喚起させる要素が満ちている。

しかし、このイメージはほとんど長崎市とその周辺のもの。実際の長崎県は、外から見るよりもはるかに複雑。そして統一感などまるでない。
長崎はもともと、天領(幕府直轄地)や小藩が林立していたため、各エリアごとに独立性が高く、まとまりはすこぶる悪い。
このため「県」としてよりも各地域ブロックごとの結束が非常に強く、平成の大合併にあたっては、ブロックごとによくまとまり、日本一の市町村減少率を記録した。

しかし、細かく見ればその過程はしっちゃかめっちゃか。今も合併時の不平不満は根強くくすぶり、マグマのごとくうごめいているという。
開放的で進取の気性のイメージからはほど遠いこの現実。
実は長崎県も、一皮むけばただのローカル県に過ぎないのかもしれない。

我々は、長崎県が置かれている現状と課題、その真の実力と弱点を探るべく、新たに県内を歩き回り、多くの資料を検証した。
そこでみえてきた本当の長崎県とはいかなる姿だったのか、ひとつひとつ解き明かしていく。
豊かな歴史と気風に恵まれた長崎の今を、ぜひ共に見つめてもらいたい。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はみ

6
長崎県の現状を長崎県外の人が長崎で現地取材などして書かれた本。 長崎県民なのに、歴史的背景でも知らないことがあったりして「なるほどなぁ」と思えることが多々ありました。 県外の方が書かれているので違和感ある部分はもちろんありましたが、外から見た長崎は学ぶべき所が多かったです。 私は長崎県が好きなので、これから長崎全体で盛り上がって行ければなぁと改めて思いました。2020/02/10

しん君

3
地元紙の広告欄を見て拝読。大方の事は知っているつもりも、古代の歴史など初耳もあり。人口減少著しい長崎県。その昔、長崎市が福岡市より人口が多かったなんて信じられない。いろんな問題があるが、複雑な地形が全ての要因に絡んでいる。外面はイケているのに内面は相当ヤバい長崎県。2019/12/01

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