内容説明
藤丸物産の社員食堂で働く杏子は、二か月前に会った社員を探している。エレベーターホールでぶつかった時に優しくされ、ときめいてしまったのだ。ただ、コンタクトが外れていたせいで、顔をちゃんと見られなかった。手がかりは、「藤」の一文字。至近距離で視界に飛び込んできた社員証で、唯一認識できたのがそれだった。しかし、社員食堂は高い喫食率を誇るにもかかわらず、彼らしき社員はなかなか見つからなくて……。
目次
第一話 恋する天丼
第二話 縁結びの照り焼きチキン定食
第三話 ビビンバの乱
第四話 思い出のナポリタン
第五話 焼きおにぎりのだし茶漬け
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツン
104
これ、続編につありますよね?無茶苦茶いいところで終わってるんですけど。。ナポリタンの話、とても良かったけど、ずんだ餅で察しろというのは無理ですよね。。相手の実家のことがあるから言えなくて、それでも言わずにいられなかったのかな。2022/03/07
kei302
53
おいしそうな表紙! 迷わず読む。藤丸物産で働きたくなる。ごちそうさまでした。ナポリタンのコツはメモメモ、特に、麺のもっちり食感の出し方。ずんだ餅の話がよかった。2022/08/08
坂城 弥生
52
美味しそうな料理が沢山。社員食堂の話なのでオシャレな感じではなかったけど素朴で美味しそう。ナポリタンお話が良かったです。2022/08/31
ぶんこ
47
藤丸物産の社員食堂が舞台。社食が自社で運営というのに、まずは驚きました。社員としての身分が保障されているからか?仕事への愛情が感じられて、気持ちよく読めました。入社早々、エレベーター前で男性とぶつかり、コンタクトが飛んでしまった杏子。ぶつかった相手が咄嗟に優しく頭を触ったのが忘れられない。その人の社員証の一部『藤』の字だけが見えたので、職場の人たちに「藤の君」と名付けられて、一目惚れの社員探しが始まる。素朴な杏子さんも、仲間たちも気持ちいい人!定年退職の日のナポリタンの話が好きでした。2024/05/18
スズ
43
コンタクトを落としてエレベーターでぶつかってしまった際に優しく対応してくれた男性社員。ボヤけた視界で見えたのは名札に書かれた「藤」の文字。藤丸物産の社食で働く杏子が、藤の字が入った社員との再会を夢見ながら、社員の方々の悩みを食で解決したり、グルメイベントや新メニュー作りに奮闘する恋愛グルメ。藤の君を巡る恋模様も面白いのですが、表紙を見ても分かる通りお料理の描写が非常に丁寧なのと、あまり読んだ事のない社食の厨房や裏側を舞台にしていて新鮮さがあって良かった。私の職場に社食はないけど一回食べてみたいと思いました2021/10/10